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ゆっくり昔話オープニング曲(1番) まりさ~良い子だ内臓(わた)だしな~♪ 今も昔もかわりなく~♪ 虐待お兄さん(おに)の情けの子守唄(レクイエム)~♪ 遠い~永遠亭(やしき)の~も~の~がた~~りぃ~いぃぃぃ♪ 雪ゆっくり むかしむかし、あるところに普通のお兄さんが住んでいました。 ある冬の日お兄さんは雪山で遭難しましたがゆっくりちるのに助けてもらい命拾いしました。 別れ際にゆっくりちるのはお兄さんに言いました。 「自分に遭ったことを誰かに話したら殺す」と。 翌年の冬。お兄さんが遭難した時と同じくらい寒い日でした。 お兄さんが家で暖をとっているとドンドンと戸を叩く音が聞こえてきました。 一体誰だろう?と思い戸を開けるとそこにはあの時のゆっくりちるのが立っていました。 「ちるのはたびのとちゅうぐうぜんたどりついたんだよ。みちにまよったからひとばんとめてね!」 実はちるのはお兄さんが自分のことを他人に喋ってないか監視するために旅人の振りをして近づいたのでした。 「君あの時のちるの?よくわからないけど泊まっていく?」 ちるのの変装は一発でばれてしまいましたが、お兄さんは昔の恩もありしばらくちるのを泊めることにしました。 しかし所詮ゆっくりと人間、まったく恋仲にはなりませんでした。 やがてお兄さんにも人間の恋人ができ、ちるのは段々邪魔者扱いされるようになりました。 夏の暑い日。とうとう痺れを切らしたお兄さんはちるのを家の外に投げ捨て中から鍵をかけました。 「ゆっくりいれてね!ちるのをすてないでね!」 ちるのが泣き叫びますが戸は開きません。 暑さに弱いちるのはやがて日射病にかかりそのまま死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ちぇんとぱちゅりー むかしむかし、あるところにとても素早いゆっくりちぇんととても遅いゆっくりぽちゅりーがいました。 ある時ちぇんはぱちゅりーに言います。 「ぱちゅりーはどんそくなんだねーわかるよー」 怒ったぱちゅりーはちぇんに決闘を申し込みます。隣の山頂まで競争し、自分が勝ったら土下座して謝れ、と。 翌日。二匹は競争しますがぱちゅりーは素早いちぇんにどんどん引き離されていきます。 「どくそうたいせいなんだねーわかるよー」 半分ほど道を進んだところでちぇんは楽勝だと思ったのか居眠りしてしまいます。 「ぐおーすぴーふぐしゅー…い、いぎゃあああ!」 突然の激痛に目を覚ますちぇん、いつのまにか野生のれみりゃに頭からかじられていました。 「もぐもぐ…あまあまおいしいどー」 「い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛!ゆ゛っ゛ぐり゛や゛め゛でね゛え゛え゛え゛え゛!」 普段だったら素早く逃げるのですがれみゃに押さえつけられているので逃げることができません。 哀れちぇんはれみゃに食べられて死んでしまいました。 「ゼハッ!ゼハッ!も、もうすこしでさんちょうだよ…」 ぱちゅりーはゆっくりとした足取りながらも着実に進み、ついに山頂までたどり着きました。 「か、かったよ。ちぇんかった。これであんしんしてみらいにかえれるね…ぐほっ!おげええええ!」 普段運動をしていないぱちゅりーに山登りは過酷過ぎました。 山頂について安心したのか今までの疲れがどっとでてしまい、 咳き込んだ拍子に大量の餡子を吐いてしまい死んでしまいました。 めでたしめでたし。 醜いれいむの子 むかしむかし、あるところにゆっくりれいむの一家が住んでいました。 しかし両親がれいむ種にもかかわらず一匹だけ金髪のれいむが混じってました。 「そのかみのけげひんないろだね、このいんばいが!」 「りぼんのないきもちわるいれいむとなんかあそんであげないよ!」 「うわーん、にゃんでみんにゃいじめるのー」 金髪のれいむはみんなと姿が違ったため虐められていました。 ある日、偶然通りがかった旅ゆっくりぱちゅりーから自分はれいむ種ではなくありす種であることを教えてもらいます。 実は金髪のれいむ(ありす)は昔今の両親から拾われた子だったのです! ありすは本当の親を探すため旅に出ました。本来なら単行本10冊分くらいの長編なのですが短編集なので省略します。 つらい旅の末ありすはついに本当の親とめぐり逢います。本当の親はまりさ種のゆっくりでした。 「おきゃーしゃーん、あいちゃかったよー!ぐべっ!」 嬉しさのあまり母まりさに飛びつくありす。ですがあっさり吹き飛ばされてしまいます。 「ありすのこはしね!おまえなんかれいむのこじゃないぜ!」 ありがちな話ですが、ありすはまりさがレイパーありすにレイプされて生まれた子でした。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 何度も何度も母親に踏みつけられ、哀れありすは死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(山編) むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。 お婆さんが洗濯をしていると山の上からどんぶらこっこ、どんぶらこっことドスまりさの死骸が流れてきました。 まんじゅうじゃけえ食えるじゃろ、と思ったお婆さんはドスまりさの死骸を家に持ち帰りました。 お爺さんがドスまりさの死骸を包丁で切り開くとなかから子ゆっくりまりさが出てきました。 「ゆっ!おじいさんはかわいいまりさにたべものをよういするんだぜ!」 子供がいないお爺さん達は子まりさにゆっくり太郎という名をつけ飼うことにしました。 それからのまりさはペットとして怠惰な暮らしをしていましたが、ある日仲良しの野良れいむが死んでいるのを見かけます。 近くにいる野良ゆっくり達の話を聞くと3丁目のお兄さんに虐殺されたそうです。まりさの怒りが天を突きました。 まりさがお兄さん退治に行くというとお婆さんはピクニックかえ?と言いきび団子を持たせてくれました。さあ冒険のはじまりです! お兄さんのところへ向かっている途中。一匹の犬に出会いました。犬はまりさの持つ団子を物欲しそうな目で見つめています。 「いぬさん!だんごをたべさせてやるからおれのけらいになるんだぜ!いっしょうばしゃうまのようにはたらくんだぜ!」 犬はあっという間にまりさの団子をたいらげ、まだ足りないのかまりさの体をかじり始めました。 「いでででで!やめるんだぜ!おれはたべものじゃないんだぜ!」 その時、どこからともなく猿がやって来たかと思うと爪でまりさの目をえぐり食べてしまいました。 「う゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛ばり゛ざの゛づぶら゛な゛お゛め゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 おこぼれに預かろうと空からカラスが飛んできてまりさの体をついばみます。 「や゛べでね゛!や゛べでね゛!ばり゛ざばお゛い゛じぐな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 哀れまりさは3匹に食べられ死んでしまいました。 まりさを食べて満足した3匹は家に帰ります。 「お、お帰り。今日は3匹そろってお帰りかい。」 待っていたのは虐殺お兄さん。実は3匹はお兄さんのペットだったのです。 今日も村は平和でした。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(海編) むかしむかし、ある海岸近くでゆっくりにとりがほかのゆっくり達に虐められていました。 「みかけないゆっくりね。とかいはじゃなくてなんだかゆっくりできないわ」 「きもちわるいゆっくりはしぬんだぜ!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 その時偶然ゆっくりれみゃが通りがかりました。ちぇんとぱちゅりーに出てきたれみりゃです。 「う~!た~べちゃうぞ~!」 「まりさはまずいからありすを…ぐぎゃあああ!」 「とかいはなわたしをたべようだなん…ひぎぃ!」 お腹が空いていたれみりゃはにとりを虐めていたゆっくり達を全て食べてしまいました。 自分のことを助けてもらったと勘違いしたにとりはれみりゃを竜宮城へと招待します。 「う~♪れみりゃはこ~まかんへいくど~♪」 れみりゃはにとりに乗って海へと潜ります。やがて竜宮城の前まで辿り着きました。 「もうすこしでりゅうぐうじょうだよ…ってうぎゃああああ!」 水に弱いれみりゃは溶けて死んでいました。腕だけが残ってにとりの体を掴んでいます。 「ゆっくりはなしてね!ゆっくりはなしてね!」 死体に掴まれているという恐怖からにとりはでたらめに暴れまわります。 やがて人食いザメの住む海域に紛れ込んでしまい、サメに食べられ死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくりの恩返し むかしむかし、あるところに愛でお兄さんが住んでいました。 お兄さんが山を歩いていると罠にかかっているゆっくりみょんを見つけました。 「ちーんぽーちーんぽー…」 巨大な虎バサミに挟まれみょんは瀕死です。可愛そうに思ったお兄さんはみょんを罠から出してあげようとしました。 「ちーんぽ…みょぉぉぉぉぉ!」 みょんの体には罠が食い込み皮がズタズタに破れていましたが、皮肉にも罠に挟まれていたことにより餡子の流失が防がれていたのです。 罠が外れ体を圧迫するものがなくなったみょんは傷口から大量の餡子を噴出し死んでしまいました。 死んでしまったみょんは恩返しをすることができませんでした。 めでたしめでたし。 めいりん姫 むかしむかし、あるところにめいりん姫というたいそう綺麗なゆっくりがいました。 「…」 ん?どうしたんですかめいりんさん?浮かない顔して。 「…!」 どうせ自分も殺されるんだろうって?じゃあめいりんさんは死なずにハッピーエンドにしてあげますよ。 「~♪」 ある日めいりん姫は山で遭難している王子様を発見します。王子様は気絶していましたがとてもかっこいい人間でした。 王子に一目惚れしためいりん姫は気絶した王子様をふもとの山まで届けてあげました。 それからは王子様のことを思う日々。いてもたってもいられなくなっためいりん姫は魔女に相談しました。 「へっへっへ、おまえのこえをよこすんだぜ。そうすればかわりにどうたいをあげるんだぜ。」 めいりん姫は魔女と取引し胴体を手に入れました。これで王子様と結ばれることができる! めいりん姫はすぐに王子様のところに向かいました。 しかし運悪く途中で虐待お兄さんに捕まってしまいます。お兄さんはこう言いました。 「うわー胴体つきのゆっくりめいりんなんて珍しいな。これで一儲けできそうだ。」 お兄さんはめいりん姫を使って見世物小屋を開きました。お兄さんは檻の外からめいりん姫を虐めます。 夜にも珍しい胴体つきめいりんと虐待ショーにみんな大喜び! 虐待お兄さんは大儲けでとってもハッピーになりました。 めでたしめでたし。 おまけ 醜いれいむの子にでてきた旅ぱちゅりーとめいりん姫にでてきた魔女まりさがここにいました。 「ちょっとごつごうしゅぎすぎるわよ」 「ここはなにもなくてつまらないんだぜ」 二匹は今までの話の中で運良く不幸にならなかったゆっくり達です。しかしこれから人間に虐待されてしまいます。 「うそいわないでね、どこにもにんげんなんていないよ」 「まりさをいじめられるものならいじめてみろだぜー」 実は語り部は虐待お兄さんだったのです!お兄さんは素早く2匹を捕獲してしまいました。 「ゆべ!もうはなして!おうちかえるー!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 「ヒャァ!虐待ダアアァ!」 過去作 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt) ゆっくりくえすと(fuku3068.txt) ともだち(修正)(fuku3103.txt) ANCO MAX(fuku3178.txt~fuku3179.txt) 利口なゆっくりと賢いゆっくり(fuku3386.txt) このSSに感想を付ける
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前 ※若干オリあり? ※虐待度はやや低め ※若干罵詈雑言気味 ※読むに堪えない文章は仕様です というわけで、あっという間に出産日。 ボールの中ではさすがに出産なんて出来ないので、2週間ぶりにゆっちゅりーを外に出す。 圧迫感から開放されたものの、2週間も食事もろくにとれず、コミュニケーションも満足に出来ずの状態だったわけだから相当ぐったりしている。 「も、むきゅ・・・うぅ」 「ぱちゅりー、だいじょうぶ?ゆっくりしていってね」 そんな彼女に寄り添うゆっくりまりさ。実に健気で、美しい光景だ。 見てるとなんだか腹が立つくらい美しい。 「ゆっくりしてる場合じゃないだろ?早く子供を産んであげないと!」 腹が立ったので水を差してやった。 「むきゅ・・・そうだね、ゆっくりするならあかちゃんをうんでからだよね」 「ゆ!ぱちゅりー、ゆっくりいそいでうんでね!」 「矛盾しとるぞ、まりさくん」 などと突っ込みを入れていると、ゆっちゅりーが突然うめき始めた。 「む、むぎゅぅぅぅぅぅ・・・!?」 どうやら本格的に陣痛が来たらしい。 今までボールの中にいて全く見えなかったが、彼女の口の下には産道らしき穴がある。 まるで人間の女性のそれのようでちょっぴりいやらしい。思わず赤面しちゃったさ。 「ぱちゅりー!どうしたの?!」 「う゛うばれりゅ・・・!?」 「もうすぐらしい。まりさ、君は少し離れていなさい」 それでもなかなか離れようとしないまりさを抱き上げ、ゆっちゅりーから少し距離を置く。 「ゆ゛うううぅぅううう・・・」 出産は想像以上に難航しているようだ。 ボールで圧迫されていたせいで胎内の子供がすでに死んでいるのかもしれない。 生きていたとしてもまともに歩けないような重度の障害をわずらっている可能性もある。 「ぱちゅりー・・・ゆっくりがんばってね!」 俺の隣では自分が出産しているわけでもないのに苦悶の表情を浮かべるまりさがゆっちゅりーを励ましている。 実に微笑ましい光景だ。さっきからこんなことばっかり言っているような気もするが、むかつくくらい微笑ましい光景だ。 それと同時に、この微笑ましさの分だけ子供の姿を見たときに絶望するんだと思うと鳥肌が立ってくる。 「なあ、まりさ。俺の話をゆっくり聞いてくれよ?」 「なに、おじさん?」 「もし、ゆっちゅりーの子供が未熟児や奇形児だったらその子を口の中に隠してほしいんだ」 「ゆ!?それってまりさにk」 「静かにする!」 「ゆぅ・・・」 「安全なボールの中にいたから大丈夫だとは思うんだけど、万が一の可能性がある。あんな狭いところで我慢したのに、ようやく生まれた子供が元気じゃなかったら可哀そうだろ?」 「ゆ!おじさんのいうとおりだね」 流石ゆっくり。こんなこじつけも同然の話に素直に納得してくれる。 「それにまりさも知っていると思うけど、ゆっちゅりーは子供を産むと死んでしまうだろ?」 「ゆぅ・・・」 目を背けていたかった事実を突きつけられあからさまに落ち込むまりさ。 でも、本当に落ち込みたいのはこっちなんだぞ、このド畜生饅頭が。 「だからさ、それまで隠し切れれば良いだけの話なんだ。口の中に隠すときにはゆちゅりーの目を隠すし、他のフォローもお兄さんがするから」 「うん、わかった。ゆっくりくちのなかにかくすよ」 「ありがとう。よし、それじゃ、素早く隠せるようにゆっちゅりーのそばに行こうか?」 そう言って立ち上がると、出来る限り柔和に微笑んだ俺の表情を見たまりさは「ありがとう、おにいさん」とまりさらしからぬ殊勝な言葉を口にすると、ゆっくりゆっちゅりーの傍へと跳ねて行った。 「おにいさん、か・・・」 結論から言えば、赤ちゃんは明らかに奇形で、その上未熟児だった。 もっとも、まだおなかの中にいるのでゆっちゅりーには見えていないが、俺とまりさにはその赤ちゃんの異形がはっきりと確認できる。 いわゆる結合双生児というやつだ。しかもその子ゆっくりはまりさの右目とゆっちゅりーの左目が完全に一体化しているかなり異様だった。 ボールによる圧迫の影響で産道が小さかったこともあるだろうが、蔓から生まれてくるものよりもやや小さいくらいの未熟児なのに難産になったのはこれが原因だろう。 「ゆっぐりぃぃぃぃ・・・」 「ゆぎぃいぃぃぃ・・・」 2つの口からそれぞれに呻き声が漏れるが、その違和感にゆっちゅりーはまだ気付いていない。 産みの苦しみのせいで、そんなことを気に留めている余裕がないのだ。 「むぎゅぅう゛・・・・」 「がんばれ、ぱちゅりー!」 自分はすでに残酷な現実を突きつけられているにも関わらず、まりさはそれをゆっちゅりーに気取らせまいと、必死でわが子の安産を願う親を演じる。 本当に健気な奴だ。ちょっと前に独善的で思い上がりの激しい自信家だなんて言った自分が恥ずかしく思えてくる。 「ぎゅうううぅぅう・・・」 「もう少しだぞ、ゆっちゅりー!!」 あと少し・・・あと少しでゆっちゅりーの子供が産道から飛び出す。 俺はすぐにゆっちゅりーの視界をさえぎるべく彼女の後ろに回りこみ、まりさは子ゆっくりを口の中に隠すための準備に入った。 あと少し、あと少しで産まれる。 「む、むきゅううう!!」 俺とまりさが固唾を呑んで見守る中、ゆっちゅりーが悲鳴にも似た声を上げると子ゆっくりたちが飛び出した。 「「ゆっきゅりちちぇちぇね!」」 舌っ足らずで、あまり声も大きくなかったが紛れもなく、子供達はこの世界に生れ落ちた。 本当ならその誕生を心から祝福したいだろう。 子供達をゆっちゅりーの傍に連れて行って、彼女をねぎらってやりたいだろう。 きっと並のゆっくり、喚起のあまりにさっきの約束を忘れてそうしていただろう。 だが、このまりさは違っていた。自分のすべきことは何か?それをわきまえて、わき目も振らず2匹の、いや1対の子供を自分の口の中に丸呑みした。 「・・・まりさ、なにしてるの・・・?」 しかし、その賢明さが仇となった。子供を口の中に入れたまりさがこっちを振り返ったとき、俺はゆっちゅりーの視界をさえぎるどころか子供をしっかり見られるように彼女を抱きかかえていた。 「んぐ!?」 目の前の光景に、1週間とは言えゆっちゅりーの安産という共通の目的のため協力し合ってきた俺の予定以外の行動に動揺し、硬直するまりさ。 そして、この俺がその瞬間を逃がすはずがない。 「この腐れゆっくり!何をしやがるんだ!!」 怒鳴りつけるが早いか、飛び掛るのが早いか。まりさを捕らえた俺はさっきまでゆっちゅりーが入っていたゆっくりボールを手に取り、その中に子ゆっくりを食べた悪いゆっくりまりさを放り込んだ。 「だから・・・だから勝手に妊娠なんてしてほしくなかったんだよ・・・ッ!」 涙ながらに床をたたきつけ、すでに虫の息のゆっちゅりーを怒鳴りつける。 「ご、ごめん、なさい・・・むきゅ・・・う」 子供が奇形だった上に、夫とも言えるまりさに食べられてしまう瞬間を目撃してしまった以上、反論なんて出来るはずもない。 「お前が謝ったって仕方ないだろ?悪いのはお前を騙したこのまりさなんだから・・・」 「むむー、あいああおうあおおううう・・・」 「うるさい!」 抗議しようとするボールの中のまりさを蹴飛ばし、涙をぬぐう。 我ながら名演技だ。ゆっちゅりーが死ぬのが悲しいのは事実なんだけどな。 「こんな奴と交尾したばっかりに・・・何の罪もない子供が奇形の未熟児なんかに・・・!」 そういって更にボールの中のまりさを蹴りつける。 本当は俺が適当なこと言ってあんなボールに閉じ込めたからなんだけどな。 「挙句の果てには喰われる羽目になって・・・!」 怒鳴り散らしながら何度も何度も蹴りつける。 「ゆうぅぅぅ・・・」 ゆっちゅりーは複雑そうな表情でその様子を見守っている。 一度は愛し合ったまりさを助けるべきなのか、それとも“本当に自分を気遣ってくれていた”ご主人の悲しみと怒りを理解すべきなのか、判断しかねているらしい。 しかし、戸惑っているうちにも死が近づいてくる。どんどん体が動かなくなっていく。 「ゆ・・・ゆぅ・・・」 面白がってまりさを蹴りまくっているうちに、もはや喋ることすら間々ならなくなってしまったゆっちゅりー。 実はビッチだったことや俺の純情を踏みにじったことは今でも腹立たしいが1年近くも一緒に生活してきたんだ。 最後くらい、きちんと見送ってあげよう。そう思った俺は彼女をひざの上に乗せ、頭をなでながらお別れの言葉を口にした。 「もう最後だから言うけど、実は・・・お前の子供があんな風になったのは・・・お前がゆっくりボールに入ったせいなんだ」 このときの俺の表情は、きっと満面の笑みだったろう。 ・・・ゆっちゅりーは旅立った。実に良い表情で。そして、居間には俺とまりさだけが残された。 ボールの中のまりさの口の中には奇形の子供が1対。勿論、まりさを世話するつもりなんて微塵もない。 あいつ自身の口の中に少量ながらも食料が保存されているから、すぐに上で苦しむ出すということはないだろう。 死ぬまでボールの中で俺の嫁に手を出したことをゆっくり反省してもらおう。どんなおしおきが効果的だろうか? 振動を与えて発情させ、すっきりする前に止めてから、ゆっくりアリスの群れの中に放り込んでやるのも面白いかもしれないな。 すっきり出来ない苦痛と、アリスに囲まれている恐怖と・・・どっちで気が狂うのだろうか? そして、俺の膝の上には物言わぬゆっちゅりー。 よく見てみると子供を産んだ際に出来た産道が塞がっていない。死んでしまったから再生能力も失われてしまったのだろう。 ゆっくりと人間では交尾の方法が根本的に違う。だから人間とゆっくりが交尾をすることは不可能だ。 たまに咥えさせたり、体に空けた穴に挿入したりする者はいるらしいが、そんなものは交尾とは呼べない。 やっぱり、自然にある穴に挿入してこそ夫婦の営みだと思うんだ。そして今、膝の上にいる彼女には普段のゆっくりにないものが付いている。 そんなことを考えた直後、まりさの最初のおしおきが決定した。 もっとも、ただ見ているだけで良いのだからこんなものをおしおきと呼べるかは正直怪しいところだけど。 ---あとがき?--- ホスト規制で7回はイってしまったぜ。 今までに比べたら若干虐待描写は多めだと思います。 しかしそれでも少ないのは、作者がそのものを見せるより想像力を掻き立てるほうが良いと考えているからです。 まあ、こんなしょっぱい文章じゃ想像力なんて掻き立てられないでしょうが。 最初のお仕置きは言うまでもなく目の前でゆっちゅりーを屍姦ですね。なまじ頭が良くて義理堅いこのまりさだからこそ効果のありそうなものです。 お兄さん変態すぎます。しかも、ゆっちゅりーは好きだけど別にゆっくりが好きなわけではないとか、訳が分からん。 ホスト規制で書き込めないのでここで色々。 ゆっくりを野球に使いたいときはゴム製ゆっくりボールをご使用ください。 使い方は簡単! テニスボールサイズで、中が空洞のゴム球の中に一箇所だけ開いている穴から子ゆっくりを入れてください。 ただし、その際には背中から押し込むようにして穴の部分が口のところに来るようにするのをお忘れなく。 ゴム餡子の流出を抑えてくれるので死ぬことはありません。また、穴が開いているので窒息することもありません。 一つだけ残念なのはがっちり抑えつけられるせいでゆっくりたちの阿鼻叫喚があまり聞こえないこと。 サッカーやその他球技の場合でもfuku1391.txtにあるその競技にあったサイズのボールにゆっくりを入れて、 安全のためにゴムカバーをかければ問題ありません。さあ、皆様、ゆっくりボールでゆっくりスポーツライフをお楽しみください。 このSSに感想を付ける
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前 あるところに一匹のドスまりさがいた。 群れを出て行った、老ドスまりさである。 「ゆゆ~、これでやっとゆっくりできるよ」 老ドスまりさがいるのは、若ドスまりさが生まれ育った深い森の中であった。 老ドスまりさは若ドスまりさが歩いた痕跡を辿り、ここに辿り着いたのである。 あれだけ愚かなゆっくりが、ドス級になるまで育つことの出来るような場所だ。少なくとも安全には違いないと当たりをつけていた。 そう──老ドスまりさは、若ドスまりさの精神の未熟さを、正確に把握していた。 その上で、若ドスまりさにあの群れを譲ったのである。 正直なところ、老ドスまりさは人生に疲れていた。 毎日毎日、愚かなゆっくりの相手をして過ごすことに、意味を見出せなくなってしまったのだ。 そこにちょうどあの若ドスまりさが来たので、老ドスまりさは群れに対して一つのテストを行った。 つまり、若ドスまりさに演説を行わせ、それに対し群れがどのように反応するかを試したのである。 結果は明白。ゆっくり達は若ドスまりさの根拠のない自信を全面的に信用し、さっさと鞍替えしてしまった。 あれほど人間は強く怖ろしいものだという老ドスまりさは教えていたのに、群れのゆっくり達は反省した様子もなかった。 中には家族を人間に殺されたものもいたのに、である。 ゆっくり達が自分の髪から躊躇なくリボンを解き、付け替えるのを目の当たりにするに至って、とうとう老ドスまりさは群れそのものを見限った。 そして、群れを捨てる自分についてきてくれるパチュリーとアリス、子れいむ、れいむ一家とまりさ一家だけを連れて、老ドスまりさは旅立った。 そこには微塵の後悔もない。 あの若ドスまりさも、群れ自体も、もう知ったことではなかった。老ドスまりさは、ゆっくりという存在そのものについて諦めを抱いていた。 そう思ったから、若ドスまりさに『協定』のことも教えなかった。 「どす、ながいあいだおつかれさま。これからはここでずっとゆっくりしていってね!」 帽子から降りたありすが、老ドスまりさにそう言ってくれた。 「ありがとうありす。でも私はもうドスでもなんでもないよ。これからはただのまりさと呼んでね」 「むきゅ! わかったわ、まりさ!」 ぱちゅりーの言葉に、老ドスまりさは目を細めた。 ああ──これで本当にゆっくりできる。 群れを捨てた立場であるというのに、こんな良いゆっくりが側にいてくれて、なんと自分は幸せなのだろうか。 思えば自分の人生は、幸運によって導かれてきた。 幼少期、家族がれみりゃに襲われて自分だけ生き残ったのも幸運だったし、その後ぱちゅりーに拾われ育てられたのも幸運だった。 色々と苦難に塗れた時代もあったが、ドス級に至るまで大きくなれたのも、ひとえに幸運の賜物であろう。 つがいになってくれるゆっくりと、リーダーを務めた群れには、生憎と恵まれなかったが。 それでもこうしてようやくゆっくりできる時間が持てたのだから、自分は幸せなのだろう。 「…………♪」 「「「じゃお~……じゃお~……」」」 少し離れた場所では、さっそくゆうかが新しい畑作りに取り組んでいるし、めーりん一家は木陰で眠っていた。 子れいむはれいむ一家やまりさ一家の子供達と遊んでいる。とても微笑ましい光景だ。 ここにどれくらいの餌があるか分からないが、しばらく食べ物に困ることはないだろう。 老ドスまりさの帽子の中には、巣から持ち出してきた食糧が目一杯に詰め込まれていた。 その量は、若ドスまりさにお祝いとして出した量の倍ほどもある。節約して生活すれば、かなり長いこともつだろう。 「ゆっくりしていってね!」 老ドスまりさは、長らく心からは口にすることのなかったその言葉を、高らかに謳いあげた。 もはや動くものとてない森の奥に、一匹のドスまりさが放置されている。 あの若ドスまりさであった。 若ドスまりさは、どうしてこのようなことになっているのか、理解できなかった。 若ドスまりさは、自分の人生が幸運によって導かれてきたと思っている。 あの森で暮らしていたとき、自分だけ生き延びたのも幸運なら、ドス級に至れるほどの豊富な食糧に恵まれたのも幸運だった。 そして森を出てみれば、すぐに群れが自分のものとなる幸運にも恵まれた。 これからもそのような生活が続くのだと、無条件に信じていた。 その結果が、今の姿である。 ……若ドスまりさは、確かに幸運であった。生き延びることが幸運と言うなら、確かに幸運であり続けた。 だが若ドスまりさは、その幸運をひたすら無条件に享受し続けるだけであった。 努力をしない者には、いつしか幸運の女神も愛想をつかすのだ。 それを、若ドスまりさは今も理解していない。 「……まだ生きてるな」 そんな愚かなドスまりさに、声をかけるものがあった。一人の人間の男であった。 「ゆぃいぃい……!! やべでぇええ、ぶだないでぇえええ……!!」 散々殴られた恐怖から、ドスまりさは人間というだけで無条件に怯えた。 男はドスまりさの言葉を無視し、言った。 「お前、ドスまりさじゃないな?」 「ゆ゛?」 「最近までここにいたドスまりさじゃないだろ。お前、違うドスまりさだろ?」 「……ゆっ!」 ドスまりさは希望を見出した。ああ、やっと自分の言葉を聞いてくれる人がいてくれた。 これで誤解は解ける。人間達も、あのドスまりさと自分が違うことを分かってくれる。 事情を知らなかったわけだから、自分のことも赦してくれるだろう。そう思った。 ドスまりさは必死に気力を振り絞って、目の前の人間に訴えかけた。 「ゆっ! そうなんだぜ! まりさはあのどすじゃないなぜ! だからたす「ウルセェエエエエエエエエエエ!!!!!」」 「ぎゃっびぇ!!!???」 男の豪腕が、ドスまりさの肉体を一撃で揺らした。 ドスまりさが何が起きたのか理解する前に、さらに拳が飛ぶ。 「お前のせいでっ! お前のせいでっ! お前のせいでっ! 何もかもが滅茶苦茶なんだよォォォォ!!! よくも俺の獲物を逃がしてくれやがってよォォォォ!!! あのドスはっ!!! 俺が長いこと目ぇつけてたやつなんだよ!!! いつか虐待してやるって心に決めてたやつなんだよ!!! 俺のっ、俺だけのっ、俺だけが虐めていいはずのっ!!! ドスまりさだったんだよォォォォォ!!! それをっ! それをッ!!! そ れ を ッ ッ ! ! ! ! ! 全部ブチ壊しにしてくれやがってェェェェェェエ!!!!! ナメやがってっ、ナメやがってッ!!! 一体どんだけ俺をコケにすりゃ気がすむんだ、この…… 腐 れ 餡 脳 ミ ソ が ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! ! ! ! ! 」 「ゆっげびゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 秒間十二発の拳の猛打が、容赦なくドスまりさを痛めつける。 男は筋金入りの虐待お兄さんであった。その証拠に、あれだけ殴られておきながら、ドスまりさの顔は全く破れていなかった。 「……ゆ……ゆ……」 「フーッ、フーッ……フゥゥゥゥゥゥゥ」 最早反応を返さなくなったドスまりさを前に、ようやく虐待お兄さんは息を整えた。そして、 「……ま、いっか」 ケロッとした表情で笑った。 「ドスを逃がしたのは残念だけど、代わりに今回の騒動でたくさんゆっくりを捕まえられたしな。 あんだけいればしばらく楽しめそうだ。久しぶりだから、殺さないよう加減するのがちょっと難しいけど。 ま、そういうわけだからさ、お前のことなんかもうどーでもよくなったわ」 そう言って虐待お兄さんは踵を返した。 良かった、とドスまりさは思った。何がどうなったか分からないが、ひとまず生き長らえたようだ。 あとはどうにかしてこの縄を解き、逃げ出すだけだ。逃げ出せたら、故郷の森へ帰ろう。外は怖いことばかりだ。 そうしたら、あとはずっとゆっくりし続けるのだ……そう心に決めていた。 だが去っていく男の、無慈悲な言葉がドスまりさに突き刺さる。 「お前の処刑は、あのれみりゃとふらんがやってくれる! じゃあね、クソ饅頭」 男がひらひらと手を振るのに答えるように、森の闇の中から、幾つもの飛行する影がドスまりさめがけて迫ってきていた。 「「「「うー! うー!」」」」 「ゆあ゛……あ゛あ゛あああああ……!!!」 このドスまりさは、今夜のれみりゃとふらんのディナーとなるだろう。 しかし体力に恵まれたドスまりさは、幸運にも、今夜を生き長らえることだろう。 そしてゆっくりゆっくり数日かけて、その命全てをれみりゃ達に奪われていくのだ…… 「もっどゆっぐりじだがっだああああああ…………!!!」 あとがき どんだけ面倒見のいい人でも、度を過ぎれば愛想つかすよねという話。 前回(復讐のゆっくりまりさ)では、まだ若さの抜けきらないドスを書いたので、今回は老輩と若輩のドスまりさをそれぞれ書きました。 ……書いたつもりです。 自分は、ドスにもピンキリいると思います。 そして実際、もしドスまりさが人間ほどの知能を身に着けていたら、さっさと他のゆっくりなんか見限って山に引きこもってると思います。 人の面倒を好んでみるというのは、そこに利益があったり、単純に人が良かったり、支配する快感が得るためだったり、そういう理由がないと大変ですから。 二匹のドスの設定は↓のような感じでした。 ・老ドスまりさ:(ゆっくりとしては)凄く長く生きてる苦労人。いい加減人生に疲れている。 それでも根が真面目なので、いきなり群れをほっぽりだすとかできなかった。 話の開始時点で既に怒りが有頂天寸前。漢字をたくさん使って喋る。 ・若ドスまりさ:図体がでかいだけで中身はただのゲスまりさ。 豊富な栄養事情に支えられドス級に至るが、世間知らずなため傲岸不遜。しかも痛みに弱い。平仮名で喋る。 今回は短い話のつもりで、かなり色んな部分を削ったんですが(老ドスの苦労話とか若ドスの馬鹿っぷりとか)それでもこの長さに…… wiki編集者の方にはご迷惑をかけますが、適当なところで切ってくださると助かります。 それでは、また。 今までに書いたもの ゆっくり実験室 ゆっくり実験室・十面鬼編 ゆっくり焼き土下座(前) ゆっくり焼き土下座(中) ゆっくり焼き土下座(後) シムゆっくりちゅーとりある シムゆっくり仕様書 ゆっくりしていってね! ゆっくりマウンテン 復讐のゆっくりまりさ(前) 復讐のゆっくりまりさ(中) 復讐のゆっくりまりさ(後) by 土下座衛門 このSSに感想を付ける
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ゆっくり罠地獄その1 畑を荒らすゆっくりどもの対策には無視できないほどの労力と金が必要だった。 村人総出で群れを潰すのが手っ取り早いのだが残念なことにこの村のほとんどは老人だった。 年寄りがゆっくり狩りなどは危険すぎた。 ある農家では紫外線耐性をつけたれみりゃを加工場から買い、逃げ出さないように畑全体をカバーできる程度の紐を くくりつけ用心棒にした。 罠を仕掛けた当初は効果てきめんだった。 だが数日もすると悪知恵を働かせたまりさが紐のレンジ外から石を吹き付けて殺してしまった。 高い授業料となった。 ある農家では潰したまりさやれいむの帽子やリボンを柵にぶらさげて寄せ付けないようにした。 これも当初はその死臭を恐れたゆっくりどもを寄せ付けなかったが、これまた数日もすると風雨に晒されたせいか 臭いが薄れてしまったようで何の効果も発揮しなくなった。 つぶれたゆっくりは掃いて捨てるほどいるので見つける度に補充はしたのだが、どうも夜中にゆっくりれみりゃが その臭いに寄せ付けられて持っていってしまうらしい。これでは意味が無い。 ある農家では柵の手前にわざと野菜を置きその中に大量の唐辛子を混ぜ込んでおいた。 初回にやってきたゆっくりどもはうまいこと食いつき、その辛さにもんどりうって餡子を吐き出し死んだが、 ゆっくりどもは無数にいる。その都度トラップ野菜を仕掛けるのでは経済的によろしくない。 更には唐辛子入り野菜を川まで運び洗って食うゆっくりも出現しだした。どうやらゆっくりぱちゅりーの入れ知恵らしい。 ある農家では落とし穴を掘り毒液を満たしておいた。 このトラップにひっかかるのはいいのだが、狂ったように暴れるゆっくりがその勢いで穴を飛び出し畑の中で派手に踊るらしく、 野菜にも毒液が付着しとても食えたものじゃない。 そんなこんなで男に白羽の矢が立ったというわけだ。 村の中では一番若く、昔とった杵柄で工作や土木工事が得意だからというのも理由だろう。 罠なんてこれまで一度も作ったことがないがやるしかない。 単純なトラップではすぐに効果が無いことはこれまでの経験で分かっていたので、どうしたものかとかなり悩んだ。 それほど労力もかからず、なおかつ効果的で、それでいてゆっくりに大していつまでも有効。 そんなトラップあるのだろうか? 夜遅くまで図面とにらめっこした結果、一つの作品、といってもいいだろう。 対ゆっくり用罠1号が完成した。 仕組みはこうだ。 50cm x 100cmぐらいの長方形の穴を掘り、そこをゆっくりがやってくる側の唯一の柵の切れ目に仕掛けておく。 深さは70cm程度だ。次に奥行き100cmを50cmずつ2エリアに区切るように立板を差し込む。 その2エリアにはそれぞれ5cm間隔で先を尖らせておいた木の棒を突き刺しておく。 ふたは2枚にし、それぞれ50cmずつをカバーするように上からかぶせる。手前のふたはゆっくりの重みで外れる程度のものだ。 そして奥のふたは手前のふたより重さに耐えられるようにしておく。 つまり落とし穴をダブルで設置することになる。一発目のトラップにひっかかりつがいのうち一匹は死ぬだろう。 そこで恐れをなして戻ればいいのだが、おそらく残った親がトラップが無いことを確認するために石か何かを奥に投げて 確認するだろう。だが2枚目はそれくらいじゃ外れない。石を投げても穴は無いと勘違いする、 そして立板があるから奥の杭も見えない。もうトラップは無いと勘違いして引き続き落とし穴をジャンプで越えて進入を試みる だが助走をつけて飛び込んだ親の重みには耐えられない。 そのまま飛び跳ねて2匹目もドカンだ。 よしいける!男は一人ほくそ笑んだ。 早速夜が明けてすぐ作業を開始した。土木工事の経験がある男にとっては難なく完成させることができた。 ご丁寧にトラップの横の柵には虐待され餡子が飛び出したまりさとれいむの絵を書いた看板を設置しておいた。 わざとらしい方がかえって奴らの注意をひくだろう。 そして翌日の早朝 男は早く起きだし納屋の中に隠れ窓の隙間から様子を伺っていた。しかけた罠のすぐ横に建ててあるので 罠もはっきりと確認できる。 そろそろゆっくりどもが野菜を荒らしに来る時間だ。 「そろーり、そろーり」 程なくして男の予想通り間抜けな声が聞こえてきた。馬鹿共ご一行様の到着だ。 親まりさと親れいむ、小ゆっくりが二匹。 「おちびちゃんたち、おとをたてないでね。これからおいしいおやさいたくさんたべられるからね!」 おまえが一番うるさいだろうと思ったが男はじっと見つめていた。 「ゆっ!おかーちゃん!おとーちゃん!あぞごにごわいのがあるよぉぉぉぉっ!」 ズタボロになったまりさとれいむの絵を見つけてブルブルと震える小れいむと小まりさ。効果があったか? 「おちびちゃんたち!だいじょうぶだよ!あれはばかなにんげんがかいたえだよ!だまされちゃいけないよ!」 「ゆぅ・・?だいじょうぶなの?いたくないの?」 まだ少し涙を流しながら小刻みに震える小ゆっくり達。 「まかせておくんだよ!こんなのこわくもなんともないよ!」 そう言って看板にドンドンと体当たりをする親まりさ。そのまりさを見てうっとりする親れいむ。 おいおい、静かにしろと言い聞かせておいてどんだけお祭り騒ぎだ。 看板に無意味な攻撃をして満足したのか親まりさは入り口の方を向き直り直進する。よし、いいぞ。 ズボッ! 「ぎゃぶばびゅっ!!!」 親れいむと小れいむの前でまりさが消え気色悪い声が聞こえてきた。 突然のことに目を見開き硬直する親まりさと小ゆっくり達。 「ぐげぇ・・・・ぐぞおおおお!!・・・・ぢぐじょう・・・にんげんべ・・・・!!」 納屋の窓から穴を覗き込むと体のあちこちから杭を突き出しあんこをゲロゲロと漏らしている親まりさが見えた。 (ヒット!) 男は心の中で叫んだ。 「ゆがあああ??!!!ばでぃさぁぁあああああ?!どぼぢでええええ!!!???」 穴の中を見て半狂乱になる親れいむ。うっしっし。 「でいぶ・・・おぢびぢゃんだぢ・・・・だのんだよ・・・ばでぃざはもう・・・びゅぶぶぶっぶっ」 事切れたようだ。 「ウがああああああああああああ!!!!!!!!!ばでぃざ!!!!!」 ぬらぬらとした体液を目や口から垂れ流して親れいむが絶叫する。小ゆっくり達は白目をむいて気絶している。 嗚呼美しき夫婦愛家族愛哉。 「ゆぐぐぐぐぐ!ばでぃざのしはむだにじないよ!!!」 目を吊り上げて怒りを露にする親れいむ。おお、こわいこわい。 親れいむは目から汚い汁を垂らしながらも野菜をゲットする気満々だ。そうこうなくちゃな。 数歩後ろに下がった親れいむ。おや、怒りのあまり罠を確認しようとはしないのだろうか。 まぁ別にそれは構わないのだが。 「おがあぢゃん!もうがえろうよぉ!!!!」 泣き叫ぶ小ゆっくり達。 「あんだだぢはだまっでなざい!!!ごごでひぎざがっだらばでぃさがなぐよ!!!ばでぃざのぶんまで やざいをたべるんだよ!!!」 親れいむに鬼の形相でにらまれた小ゆっくり達はビクッとして黙る。 そして1mほど後ろに下がり既に開いている第一の罠をジャンプして飛び越す。 しまった!ゆっくりのジャンプの距離を間違えたか?! 男がそう思うくらい親まりさは必死になって飛び跳ねていた。 ガシッ 第二の罠を超えたあたりに着地成功・・・ッ・・・・か? いや違う、ふたと地面の丁度境目あたりに親れいむは着地した。 「おかあちゃんかんばれ!がんばれ!」 必死に応援する小ゆっくり達 れいむは思っていた。 (あいするまりさのしをむだにしてはいけない。のこされたおちびちゃんのためにもやさいをてにいれるひつようがあるんだ。 おちびちゃんたち、みてなさい、おちびちゃんたちもこうやって・・・・えっ?) ガタン 第二のふたが着地の衝撃で内側に開く。 「ゆ"っ・・・・?!ゆがっっ?!!」 れいむの体はゆっくりらしくとてもとてもゆっくりと後ろに傾いていた。 「ゆぐべらっ!ゆびびゅぶぶぶべらっ!!!!」 鋭利な杭の先がれいむを突き刺す。目を貫通していた杭もあった。一瞬たくさんの針で頭の中身を刺されたような 痛みがれいむに走る。何かを喋ろうとすると口から餡子が噴出してきた。 もはやこの親れいむは長くは無いだろう。 「ゆがっ・・・・がっ・・・・」 その様子を目の前にし、小れいむは大量の餡子を吐いて皮だけになって動かなくなっていた。 小まりさは白目のまま硬直していた。 「イェーイ!!」 男は納屋の戸をバンと開けると浮かれた声を上げながら飛び出してきた。 その勢いはBGMにサンバの調べが聞こえてくる気がするぐらいに。 「おちびちゃんはこの畑100匹目のゆっくりでーす!おめでとうございまーす!嘘だけど!」 男は嬉しさのあまり馬鹿丸出しの声をあげ小躍りしている。 小まりさはまだ白目をむいて小刻みに痙攣したままだ。 「98匹目と99匹目のおとうさんおかあさんは残念でしたー!残念賞をあげまーす!」 男はそう言いジッパーを下ろすと串刺しになっている親まりさと親れいむに じょぼじょぼと放尿を始めた。 まだ生きている親れいむは男の放尿を受けて 「ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・」と唸っている。口にも杭が刺さっておりまともに会話はもうできない。 目からはぬらぬらとした液体が溢れていた。そして動かなくなった。 穴の下に向かって放出されていた尿が徐々に角度を上げて行き当たりに飛び散るようになる。 穴のふちにいたため男の放尿をまともにくらった小まりさは気絶から覚醒し「ぐぎゃあああああ!!!」 と叫びながら森の方へと逃げていった。 快感に包まれていた男はそれを潰すことをすっかり忘れていた。 「あ、しまった、逃がしちゃった」 我に返った男は穴の中で死んでいるゆっくり二匹を棒で取り出し川に放り投げる。 小れいむの死体は適当に足ですりつぶしておいた。 「よし、とりあえずこの罠は成功だな、明日も別のゆっくりどもが来るかもしれんし元に戻しておくか」 男は尿の臭いを消すために水を撒き臭いの強い野菜くずを適当に穴の底に撒いておき、ふたの仕掛けも 元に戻しておいた。 「小便なんかしなきゃ良かった。ああめんどくさい」 そしてその晩は安心して朝までぐっすり眠った。 翌朝 「どうしてだ・・・・」 目の前に広がる畑は見事に荒らされていた。 全ての野菜がほじくり出され、残っていたのは硬い芯や破片だけだった。 男は罠の方に走っていった。そして思わず「あっ」と叫んだ。 ダブルの罠にはどちらにも成体まりさとれいむが詰まっており髪の毛が見えている。 合計四匹。底の方には深く杭が突き刺さり餡子を飛び散らせているれいむ二匹。その上には貫通はしてないものの 深く刺さったまりさが二匹ひっかかってた。よく見ると上に重なっているまりさのうち一匹はまだかろうじて生きている。 「おい、何があった、どうして四匹も穴に落ちてるんだ!」 男はそういい生きているまりさに問いただす。 「ゆぐ・・・・ばでぃざはなにぼじでないのに・・・・どぼじで・・・・びどい・・・・」 男はまりさを穴から引き上げた。足の方には下で死んでいるれいむを貫通した杭が刺さった穴がいくつも開いている。 この傷で放置されたのだからもう助からないだろう。 「ばでぃざは・・・おぼうじなぐじだの・・・・だがら・・・ごのあなに・・・ぶでぃやり・・・・」 そう言うとまりさは餡子をぶりっと吐いて死んだ。 おそらく昨日逃がした小まりさが別の家族にここの罠のことを知らせたのだろう。 そしてこの罠の仕組みを知ったそのまりさ一家が帽子やリボンをなくしていじめられていたゆっくりを 無理やり連れてきてこの中に叩き落し、杭が露出しないことを確認してその上を悠々と渡り畑を荒らしたようだ。 ゆっくりをみくびっていた。男はがっくりと膝をついた。 噂には聞いたことがあるが、ゲスまりさというゆっくりはこういった悪知恵も働くらしい。 「しまった・・・俺の完敗だ・・・・」 男は昨日の自分の浮かれようを思い出し、そしてただ悔しさに土を拳で何度も叩いた。 しかし数分後、男はすくっと立ち上がる。既に落胆の表情は無い。 いやむしろ不適な笑みさえ浮かべている。 そしてぼそっと呟いた。 「次は戦争だ」 ~続く~ =====あとがき====== 2作目の虐待SSです。 トラップネタを書きたいなぁと漠然と思ってるところにfuku3373.txtが投下されたので触発されました。 この話を思いつく前からかなり長い話を書いてるのですが、ちょっと内容に行き詰っているので 気分転換に短い話を書いてみました。しかし続編アリになってしまった・・・ また勃起してますね。 これまで描いた話 【うんうんの報い】 by ゆっくりジェントルマン このSSに感想を付ける
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さわさわと、木々のざわめきだけが静寂の中に、命の存在を伝える。 ここは珍しい。今やどこに行っても何かにつけて耳につく、あの不快な音 「ゆっくりしていってね!」 が聞こえない。 果してそうだろうか? よく耳を澄ましてごらん。虫の声も、葉の擦れる音も、静寂の中には幾つもの声がある。きっと聞こえてくるだろう。あの声も。 「・・・・・・・・・ゆっくり・・・・・・・して・・・いってね・・・・・・・・・」 ほら。かすれるように小さな声が聞こえてきた。これはどこから聞こえてくるのかな? 普通、ゆっくりは辺り構わずゆっくりゆっくり鳴き叫び、捕食種や野の獣を呼び込んでがつがつと食べられてしまう。 街中だと、下水に放り込まれたり車に轢かれたり保健所に回収されたり、野生より酷い目にあうのがほとんどだ。 でもここではゆっくりの声はとても小さい。明らかに、敵になる生き物を警戒しているのがわかる。 え?饅頭にそんな知恵があるのかって? ないよ。 ゆっくりが知恵をつけるのは、どうしても生存に必要な時だけ。大抵は食料の問題に直面したとき。 もう一つあるんだ。 それは死にたくても死ねないような拷問、いや、虐待をうけた後だ。 君もそうだからわかるだろうけど、虐待はゆっくりの扱いとしてはごくごく当たり前のものだ。 僕は研究者だから単なる快楽だけでやってるわけじゃないけど、行為自体は虐待そのものだっていうのは認めてるよ。 さておき、虐待をうけて尚、生き延びたゆっくりはどうなるか。 まぁ虐待したゆっくりをおめおめ野に放す人は少ないし、放しても傷やトラウマのせいでまず生存はできない。 鬱憤晴らしに口では言えないような虐待をしたゆっくりを放してやったら、すぐ先にある木に一直線に向かって、ものすごい速さで何度も何度も体をぶつけて自殺したって話もあるよ。 自殺なのか、もう人間から一刻も早く遠ざかりたかっただけなのか、なんにせよ精神を病んじゃったのは確かだね。 話が逸れすぎちゃったけど、つまりは虐待されたゆっくりはまず死ぬ。ってことなんだ。 でも、たまにハンディキャップを克服したり、幸運に恵まれて生き延びるゆっくりがいるんだ。 そんなゆっくりは一人じゃ生きていけない。まず生き延びること自体が誰かの助けを必要とするから。 とはいえまともなゆっくりの群れは虐待されたゆっくりを受け入れない。まぁ餡子頭だから深い意味もなく、ただ気持ち悪いとか気に入らないだけなんだろうね。 だから、被虐待ゆっくりは自分と同じような境遇のゆっくりと群れを作るのさ。 そう、それがここなんだよ。 見てごらん。 あ、そんな頭を上げないで。気づかれるよ。そうそう…茂みから覗いてみて…見えるかい? うん。洞窟があるだろう?被虐待ゆっくりの群れは崖下の洞窟、木の根元に掘り抜いた巣穴、水辺のぬかるんだ辺り、三角州… 普通の群れがあまり近づきたくないところに集まるんだ。じゃないとまともなゆっくりに見つけられたら追い出されるからね。 この群れは僕が確認したところでは、あの洞窟とすぐそばの木の何本かに巣穴を掘ってるみたいだね。 数は…生まれた子供も合わせて50くらいかな?少ない?虐待されたゆっくりのほとんどは生殖能力を失ってるからね。 あの群れで繁殖できる個体はたぶん2,3体だと見るね。 あ、でてきた…。帽子のないまりさ種だ…。うん。ここでは帽子のないゆっくりも大丈夫なんだよ。みんな似たり寄ったりだからね。 しゃべって意思疎通ができるか、髪飾りで個体が判別できるものならなんでも受け入れるみたいだね。このルールは群れごとに違うらしいけど。 次は…うお! おっと、変な声が出ちゃった…見た?あのゆっくり。そのまま、饅頭だったね。髪飾りと髪の毛を完全に取り除いたうえで、眼球もくりぬいたんだ。そのあと、小麦粉で完全に癒着させて… 無事なのは口だけか…。妖怪にそういうのいた気が。ぬっぺほっふ?だったっけ? よくあんな個体が生き延びられたな…。僕もあんなのが動いてるのははじめて見たよ。え?よくやる?ふーん。そうなんだ。 とりあえずあのゆっくりたちは巣のまわりの見回りかな?饅頭ゆっくりは多分、聴力が発達してるんだと思うよ。実験で視力を失くしたゆっくりは聴力が上がるって結果が報告されてるからね。 視力と聴力、両方で巣の安全を調べてるんだ。そうしてみるとなかなか頭のいい個体が群れを統率してるみたいだな。 ここでじっと見てるだけじゃよくわかんないんだよな。あの洞窟の中を実際に見てみないと… そう。そこで君の出番だよ。君がつくった”あれ”で監視カメラをあの洞窟の中に仕掛けるんだ。頼むよ…。 虐待お兄さんはリュックの中から一匹のうーぱっくを取り出した。これはうーぱっく型にこしらえたラジコンである。こいつの背中(?)に三種の小型カメラを搭載し、洞窟上面、左右面にカメラを仕掛けようというのである。 お兄さんはスイッチを入れ、慎重にメカうーぱっくを操縦した。ゆっくりふらふら飛んでくるうーぱっくを見てまりさが慌てて饅頭ゆっくりを引っ張って洞窟の中に逃げた。 うーぱっくはゆっくりの味方だが、他のゆっくりに自分たちの場所をむやみに知られたくないからである。 メカうーぱっくは洞窟の中に入っていく。洞窟の中ではどうやらうーぱっくに早く出て行けと警告しているようだ。お兄さんはうーぱっく視点をもとに、洞窟内にカメラを仕掛けると、ふらふらと出て行った。 よし。うまくいったね。うーぱっくは基本的にゆっくりの味方だから、あのゆっくりたちもあまり詮索しないだろう。 それじゃ場所を変えてカメラの様子を見ようか。 ところ変わってここは森に設置されたゆっくり観測所。加工所の研究の一環で建てられたもので、森のゆっくりの個体数観測や野生での成長過程などを調査している。 さぁ、テレビのスイッチをON…!映った映った。感度は良好、ゆっくりたちがばっちり見えるよ。 モニターに映っているのはじめじめとした洞窟の中で身を寄せ合い、ほとんど言葉も発しないゆっくりたち。 洞窟内のゆっくりは種別や虐待の度合いによらず、みな渾然としている。おかげでどんな個体がいるのか判別しにくい。 まずは帽子のないまりさ種がちらほら目立つ。虐待の基本だからだろう。片目のものも多い。これも基本だ。動かないのは底部を火で焙られたのが多いからだろう。 一つ一つ見てみると あるまりさは髪がざんばらだった。ゆっくりの髪は成長するが、大人になると長さが一定になり生え換わらなくなる。 このまりさはところどころハゲが目立ち、長さも不揃いだ。適当にバリカンで頭皮ごと削られたのだろう。 また、口元が大きく左右に裂けていた。笑えばハロウィンの南瓜みたいで不気味だろう。 あるちぇんは両目にピンポン玉を嵌め込まれていた。中途半端に押し込められ、小麦粉を塗って完全に癒着している。 無駄に丁寧にピンポン玉の表面には下手糞な目の絵が描かれていた。それから尻尾が20本くらいに増やされていた。 他のちぇんから引きちぎったのをぶっ刺されたのだろう。もちろん底部は焙られて真黒になっている。 あるれいむは底部に4体、ちょうど足のように赤ゆっくりが埋め込まれていた。しかも生きている。おそらく赤ゆっくりの頭部を切り飛ばし、 母親の底部をくりぬいた穴に嵌め込んだものだろう。これでは飛び跳ねることも這うこともできない。赤ん坊が成長したら子供たちが親の体を御輿のように持ち上げて移動できるかもしれないが。 あるゆっくりはもはや種別もわからない。全身を真っ青に塗りたくられてビー玉を40個くらいあちこちに埋め込まれている。意味がわからん。 髪もない、飾りもない。顔だけで判別はできないし、口もない。代わりにパイプが眉間に突き立てられている。そこから食料を入れてもらうのだろう。なんで受け入れられてるの? あるみょんの顔はいい男だった。おそらくどっかの職人が整形したのだろう。腹ん中がぱんぱんになりそうなくらいのいい男である。 眼球えぐり、底部焙り、飾り・毛髪除去、発狂(両目が左右逆の方向を向いてよだれをたらしているだけ)、合体、整形、… ここには様々な虐待を受けたゆっくりがいた。その中に、わずかにまともな姿の赤ん坊がいるが、その将来はどうなるのかわからない。他のまともなゆっくりとは一緒に生きていけないだろう。 続いていい? おはようかな?こんにちはかな?こんばんはかな? VXの人です。 観測者の立場から被虐待ゆっくりを書いてみました。虐待されたゆっくりたちは僕の夢の中にでてきたゆっくりです。 いつもこんなことを考えてます。 このSSに感想を付ける
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※短編3部。つながりはありません。つながりはありません。 ※←これってパチュリーの通常弾幕に見えるよね。 【月とゆっくり】 1 人工衛星。 宇宙ステーションのようなものを想像するが、定義上はそんなに難しいものではない。 「惑星の周りを公転する、人間の手によって打ち上げられた物体」である。 つまりは、やかんであれカメラであれ、惑星の周りを回っていればいいのである。 それが、ゆっくりでも。 「や”め”でぇぇぇぇ!!!ぼどい”でぇぇぇぇ!!!」 とある村の一角に、不相応な『ロケット』が一台。大きさは、大人二人程の小さなものだ。 積載されているものが最低限なので、非常に簡素な見た目と構造になっている。 紅魔館のパチュリー氏の指導のもと、村のみんなで協力して作ったものだ。 材料には村にないものも多くあり、他の村や河童達の協力も得て、ようやく完成した。 「どぉぉじでぇぇ!!!どお”じでごんな”ごどずる”の”ぉぉぉぉ!!!」 今日は待ちに待った打ち上げ当日である。 風も雲もない、素人目でもわかる絶好の打ち上げ日和である。 村の人たちは、奇跡の瞬間を一目見ようと全員が打ち上げ台に集まっていた。 「ま”り”ざばま”だな”ん”も”じでな”い”よ”ぉぉぉぉ!!!」 …さっきからうるさいこいつだが、名をまりさという(らしい)。 (※、ひらがな明記をゆっくり種と定義させてください) 先ほど村のじいさん家に侵入を試みていたところを発見し、縛り付けた。 しかし縛り付けた先が、発射する予定の『ロケット』だった。 これはまずいと思って外そうとしたが、村人はこれを止めた。制裁である。 『ロケット』の打ち上げに支障をきたすのではないかと思い、パチュリー氏に相談したら 「饅頭ひとつぐらいの負荷なら問題ないわ」とのこと。 なかなかにやかましいまりさ。 しかし今、村人の関心のほとんどは魔理沙にはない。『ロケット』が気になってしょうがないのであった。 血の気のある者は黙らせようと手を出そうとするが、『ロケット』になにかあってはいけないと制止する。 日が高く昇り始め、発射予定時間を迎えようとしていた。 村長が、歳に似合わぬ高々とした声で、発射宣言を行う。 村の代表が、たいまつをもって『ロケット』へ近づく。 人々は物陰に隠れて、発射台を見つめる。 「ゆ”っ!お”に”い”ざん”!びを”ごっぢに”も”っでごな”い”でね”!」 再び騒ぎ出すまりさ。緊張感が台無しである。 代表が火を下ろす。予定まであと数十秒。ちょっとした気持ちで、代表はまりさに話しかけた。 「おい饅頭、これからお前は『宇宙』に行くんだ」 「うぢゅう?」涙声だ。 「あぁ、『宇宙』だ」 「どんなどご?」 「さぁな。空より広いらしい」 「ゆっぐりでぎる?」 「さぁな。ゆっくりしてこい。じゃあな」 下ろした火を導火線に近づける。火がついたのを確認すると、代表も物陰に飛び込んだ。 短くなる導火線。息を呑む観衆。視点はやがて導火線と本体のつなぎ目に収束し、 火が、消えた。 「びゅっ!!!」 ばしゅううううぅぅぅぅ!という音と共にロケットが飛び出す。 悲鳴は、一瞬でフェードアウトした。あっという間に最高速度に達したようだ。 村人は煙の中呆然と空を見上げている。 飛行機雲のような、まっすぐ伸びた煙は、『宇宙』へと伸びていった。 パチ、パチパチ、パチパチパチパチパチパチパチパチ!!! 拍手と歓声が村を包む。打ち上げは成功である。 (むきゅう、実際にロケットは宇宙に行ったのかしら) パチュリーは、打ち上げた後にそれを確認する手立てがないことを思い出した。 2 「こちらお兄さんA、着陸軌道に乗る事に成功、オーバー」 「こちらお兄さんB、着陸軌道に乗っていることを確認、あと5分後に着陸、オーバー」 『ゆっくりプレイスを求めてゆっくり達が宇宙に逃げた』との情報を聞きつけたお兄さんズは、 本気で宇宙を目指した。 果たして月でゆっくり達はゆっくりしているのだろうか、どんな風になっているのだろうか、 お兄さんが来たらどんな反応をするだろうか、どう虐待してやろうか… 全お兄さんが宇宙に旅立つわけにも行かないので、代表として俺、お兄さんAが旅立つことになった。 ガガ…「こちらお兄さんB、まもなく着陸、着陸準備せよ、オーバー」 「こちらお兄さんA、着陸準備了解、オーバー」 音もなく着陸。動作の停止が確認され次第、俺は宇宙船を下りる。 妖怪だから生身?いややっぱり宇宙服は必須。 あれが地球か。丸くて、まるでゆっくりのようだ。感慨深い。 しかしそうのんびりもしていられん。逃げたはずの月面ゆっくりを探し出さねば。 いた!ゆっくりだ! こいつら宇宙でもゆっくりしてやがる! まぁ落ち着け俺。まずは月面ゆっくりの観察だ。 こいつらは当たり前だが宇宙服もなんも身につけてない、地上となんら変わりない。 重力の影響も小さくて、地上より高くぽんぽん跳ねてやがる。 …ん?何かしゃべってるようだが…いかんせん聞き取れん。 観察してわかった。こいつらは話すときに互いの体をくっつけて、直接振動を伝えてる。 空気がない月だ、それなりに知恵も身につけたのだろう。 「ようゆっくり共、ゆっくりしてるか?」 ゆっくり達が俺の存在に気づく。宇宙服も着ているし、俺が誰かはわかっていないようだ。 「お前ら月でも生きれるんだな…ってそうか、聞こえてないのか」 さっき体をくっつけて話してたんだった。なら俺もそうでもしなけりゃ声は聞こえないのか。 「…!………!」 「……………!」 何か話しているようだが聞き取れるはずがない。 まずは怖がらせないようにゆっくりと近寄る。 動きと表情から、怯えている様子はない。興味津々、といったところだろうか。 大きめのれいむの頭に手をポンと置き、話しかける。 「ようゆっくり、ゆっくりしてるか?」 「ゆっくりしてるよ!おにいさんもゆっくりしていってね!!!」 お、お兄さんだってわかってる。でもお兄さんがどういう生き物かは知らないようだ。 そのまま手を下に回し、そっと抱き上げる。おぉ軽い軽い。 「おにいさんはゆっくりしにきたの?」 「いや、お前らを虐待しに来た。ところでお前ら仲間はどんだけいるんだ?」 「ぎゃくたい?なに言ってるのかわかんないよ! なかまはもっといっぱいいるよ!ここにいるのはれいむのかぞくだよ!」 「あぁそうかい。それを聞いて安心した」 「ゆ”っ!!!」 渾身の力をこめて握りつぶす。思ったより感覚は軽い。 餡子がスロー映像のように地面に落ちてゆく。おぉスペクタクルスペクタクル。 少し餡子が漏れただけのようだが動く気配はない。重力のせいか、地上のと比べて皮がやや薄かった。 「………!!!」 「…!…!………!」 子れいむ達がなにか叫んでやがる。あーあー聞こえない聞こえない。 端から聞く気もない。また一匹持ち上げる。こいつは試しに地上に持ち帰ってみよう。 さて、残りを徹底的に潰すとしよう。 「…………!……!!」 「……!!!」 「…………!…………!……………………!」 まぁ聞こえないわけで。しかもあいつら逃げるのに必死で仲間の声も聞けないだろうに。 となれば相当なパニック状態、さぞかし餡子はうまいのだろう。気になってしょうがない。 だが宇宙服を脱いでここで食うわけにもいかん。もう1匹連れてくか。 さっと追いつき、もう1匹も捕獲。 あとは迎えの宇宙船が来るまで、残った子供達と(一方的な)鬼ごっこ。 ゆっくり追いかけては踏み潰し、ゆっくり追いかけては握りつぶし。なんだか刺激が足りないが我慢我慢。 空間に漂う餡子がここまで汚いものだとは思わなかったね。視界が餡クズだらけだ。 そう思うと餡子が落ちる地上は素晴らしいと思えてくる。 ザザ、ザ「こちらお兄さんB、まもなく迎えの宇宙船が軌道に乗る、準備するように、オーバー」 「こちらお兄さんA、離陸準備了解、おみやげに1匹連れてくぜ、オーバー」 「こちらお兄さんB、そいつぁいいや、オーバー」 宇宙船に乗り込み、捕まえた子れいむ達をどサディスティックな目で眺めながら、地球へと帰還した。 3 まりさは、やけに冷静だった 見渡せば星空。いや、星空の元である隕石クズ。 他にはない青い大きな星、あそこに仲間達が住んでいるのだろうと、直感で感じた。 今、まりさは急降下している。 小さな星屑を蹴り飛ばし、青い星めがけて進んでいたら、ふと吸い込まれるような感覚に襲われた。 これでみんなのところに帰れる。あとはゆっくりしていればいい。 「……………………!!!」 ゆっくりしていってね!!!と言ったつもりだった。 しかしそれは誰にも、自分にすら聞こえていない。 もちろんまりさはそれを知っていた。だが言わずにはいられなかった。性である。 段々と速度があがっていく。星屑が瞬く間に視界を流れていく。 ふと、体が温かくなるのを感じた。冷たく寒い宇宙で、まりさが初めて感じた熱だった。 その熱は次第に、まりさの体を焼き始める。 「…………!!!……!!!」 もちろん何も聞こえない。ただ体が焼けていくことは感じた。 熱い、痛い、辛い、ゆっくりできない、涙も蒸発していく。 その饅頭は、地上に落ちることなく、燃え尽きた。 【あとがき】 どうもっす、タカアキです。 31スレ 120を見たら書かずにはいられなかった。 どうもうちのゆっくりは台詞が少ない。 このSSに感想を付ける
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「ゆっきゅりちていっちぇね!」 「「「「ゆっきゅりちていっちぇね!」」」」 「ちーんぴょ!」 広い広い森の中を満面の笑みを浮かべて駆け回るゆっくりの赤ちゃん達。 その姿からは外敵への恐れも、天候の変化への警戒心も全く感じられない。 当然だろう。この森の相当な数の木が彼女らを守ってくれるのだから。 しかもここには植物と、弱い虫と、ゆっくりでも勝てる小型の鳥獣しかいない。 だから赤ちゃん達は木々の合間を縫って駆け回って自由に遊ぶことが出来た。 談笑しているおとな達に見守られながら、すくすくと育つことが出来た。 幼いゆっくりまりさはぽよんぽよんと元気良く跳ねて、木の根を避けながら進んで行く。 その先ではゆっくりれいむとゆっくりありす、それからゆっくりみょんの3匹が同じように跳ねている。 彼女らは鬼ごっこの真っ最中。まりさが鬼さんで、他のゆっくり達は彼女から逃げていた。 みんな実に生き生きとした表情で跳ね回っていて、活発に動きながらも非常にゆっくりしている。 「れいむー、れいむー!まりさ、おはなみつけてきたんだぜ!」 「ゆゆっ!きれいなおはなだね!」 「すごくとかいはなおはなね!」 「きれいなおはななんだねー、わかるよー」 赤ちゃん達が鬼ごっこをしている場所からから少し離れた所では子ゆっくりが戯れていた。 そこにいる子ゆっくりはれいむにまりさ、それからありすとちぇんの4匹。 まりさが採ってきたらしい花を囲んで、声を合わせて「おはなさ~ん、きれ~だよ~♪」などと歌っていた。 その歌にあわせて時々ぽよんぽよんと跳ねてみせる4匹もまた活発にゆっくりしていた。 勿論、楽しく遊んでいる子ゆっくりは彼女達だけではない。 あるものは水位が2cmほどしかないゆっくりにはおあつらえ向きに川に入って仲間と水を掛け合って遊んでいる。 あるものは誰かが見つけてきたどんぐりをボール代わりにサッカーの真似事のようなことをして遊んでいる。 あるものは何もせずただじっと日向ぼっこをしながらのんびりと仲間達とお話しをしている。 しかし、何も皆が遊んでばかりいるわけではない。 子どもや赤ちゃんが楽しく遊んでいる場所から少し離れた洞窟の中で勉学にいそしむものもいる。 「むきゅ~、このきのこさんはゆっくりできないものよ」 「ゆゆっ!ゆっくりできないのはいやなんだぜ!」 「ゆっくりできないなんてとかいはじゃないわ!」 「むきゅ~、みんながゆっくりできるためにもちゃんとおぼえないとだめね!」 そこにいたのは1匹の成体のゆっくりぱちゅりーと子どもサイズのまりさ、ありす、ぱちゅりーの3匹。 成体ぱちゅりーの差し出した見るからに毒々しい色彩のキノコを取り囲む3匹はゆっくりにしては凛々しい表情をしている。 この3匹はこのゆっくりした森の群れを担う次世代のリーダー候補とでも言うべき3匹で、来る日も来る日も勉学に勤しんでいた。 しかし、1匹たりとも根を上げるものはいないし、皆それなりに勉強を楽しんでいる。 「むきゅ!みんな、きょうはこれでおしまいよ」 「きょうもゆっくりおべんきょーしたよ!」 「おうちにかえったらおかーさんほめてくれるかな?」 「むきゅ~、おかーさん。ぱちゅりーおともだちにきょうのおはなしをおしえてあげるわ!」 しばらくして勉強を終えた3匹は各々の仲良しグループの元へと元気に駆けていった。 そして、夜になると、親ゆっくり達は子ども達を連れて居住区になっている巣の密集地へと帰る。 この群れでは夜はただ巣の中でゆっくりするだけの時間じゃない。 可愛い子ども達が寝静まる頃、大人たちはこっそりと巣を抜け出して、巣から少し離れた場所へと集まる。 子ども達ではまだ登ることの出来ない切り立った高台の上、そこは大人たちだけの社交場だった。 「ゆゆっ!きょうもみつさんをいっぱいのむよ!」 「ちゅ~うちゅ~う、しあわせ~♪」 「あまあま~♪」 高台には蜜の量が多い花が咲き乱れていて、大人たちは夜な夜なそこに集まっては子ども達に内緒で甘い蜜を堪能していた。 高台の下ではこっそり親についてきた子ども達がうらやましそうに見上げているが、彼女達を引っ張り上げる大人は一匹もいない。 しかし、無事にその高台まで登って来た子どもを追い返すこともしなかった。 「ゆゆっ!まりさ、じぶんでここまでのぼってこれたんだね!」 「おかーしゃん、しゅごくあまいにおいがするよ!」 「まだちいさいのにすごいわ!とかいはなまりさにはあまあまをのませてあげるわ!」 「ゆっ!あまあま、ゆっくりのませてね!」 花を舐め、あるいは吸って蜜を飲んだまりさはにっこりと微笑んで満足げに飛び跳ねる。 「このみつさんゆっくりしてるよ!あまあまだよ!」 「でもほかのこにはないしょだよ!」 「とかいはなおとなだけのばしょよ!ゆっくりりかいしてね!」 「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたよ!」 こうして、新しい蜜飲み仲間を迎え入れたゆっくり達は月が山に隠れるまでわいわいと騒ぎ続けた。 翌日、昼前に起床した大人たちは巣の近くで元気に跳ね回る子ども達の姿を確認すると、皆で食料集めに出かけるための準備に取り掛かった。 「ゆっきゅちー!」とか「ゆーゆーっ!」とか「ゆ~♪」などと元気良く鳴きながら遊んでいる子ども達の横をすり抜けて集落のはずれに集まる大人たち。 その数30匹以上にも及ぶ集団は、近場でもっとも餌の豊富な草原へと威勢よく跳ねて行った。 「ゆゆっ!おいしそうなむさんをみつけたよ!」 「ゆ~って♪だんごむしさんいっぱいいるよ!」 「ゆっ!きれいなおはなさんだよ!ゆっくりもってかえるよ!」 草原はいつも通り生気と自然の恵みに満ち溢れていた。 緑色がまぶしいほどに活力に満ちた草木が風に揺れ、その合間から綺麗な花が顔をのぞかせる。 そして、その下の土では虫たちが生きるための糧を集め、土の中でも小さな命が活発にうごめいていた。 「ゆゆっ!れいむ、おおきなかまきりさんをつかまえたよ!」 「まりさはむかでさんをやっつけたんだぜ!」 「「「ゆっふっふっふっふ・・・」」」 「ぱちゅりーにまりさにれいむ、へんんわらいかたしてどうしたの?」 「「「ぱちゅりーたちははちさんのすをとってきたよ!」」」 陽が傾き、空が朱に染まり始めた頃、大人のゆっくり達は集合してお互いの成果を見せ合っていた。 あるものは獰猛な蟷螂に打ち勝ち、あるものは大量の団子虫を捕まえ、またあるものは美味しい木の実を沢山抱えていた。 けれど、今回の狩りで一番頑張ったのは巣を丸ごと持ち帰ってきた3匹だろう。 「ゆーっ!ぱちゅりーたちすごいよ!」 「はちさんのすなんてどうやってとるのかもわからないよー!」 「さすがだね!すごくゆっくりしてるよ!」 他の仲間たちに讃えられ、少し照れながらも誇らしげな3匹は照れ隠しのように「ゆっくりかえるよ!」と言う。 その言葉を聞いた他のゆっくり達も集落で可愛い子ども達が待っていることを思い出し、口々に帰ろうと言い出した。 そして、大量の収穫を抱えてゆっくり達は疲労感以上の満足感を抱えて帰路に着いた。 「ゆゆっ!おきゃーしゃんたちがかえっちぇきたよ!」 「「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」」 「「「「「「ゆっくりちていってね!」」」」」」 「「「「「「「ゆっくちちちぇっちぇね!」」」」」」」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 大量の食料を抱えて帰ってきた大人たちをその言葉で出迎えるのはまだ狩りに行けない小さなゆっくり達。 皆、たくさんのご飯と大好きな家族の帰還が嬉しくてニコニコと微笑みながら遊び疲れも忘れて元気に飛び跳ねている。 大人たちは彼女らの挨拶に「ゆっくりしていってね!」と元気良く返事をすると集落の中心に食料を置いた。 「さあ、たくさんごはんがとれたからきょうはうたげだよ!」 「あかちゃんたちもきょうはよふかししてもいいよ!」 「みんな、ゆっくりしていってね!」 「「「「「「「ゆっきゅりちちぇいっちぇね!!!」」」」」」」 そうして、ゆっくりのゆっくりによるゆっくりのための楽しい宴会が始まった。 あるものは大好きな仲間を誘って楽しく踊り、またあるものは美味しい餌に夢中になっていた。 少しは慣れた場所はすりすりやちゅっちゅをするものや、行き過ぎてすっきりを始めてしまうものもいる。 初めての夜更かしに興奮気味の赤ちゃんたちは何をすればいいのかわからずおろおろしているものもいるが、おおむね楽しそうに駆け回っていた。 「むきゅ~・・・まりさ、みんなたのしそうね」 「ほんとうだぜ!みんなすごくゆっくりしてるぜ!」 そう言って、少し離れた高台でどんちゃん騒ぎを見守るのはリーダー教育係のぱちゅりーと群れの長のまりさ。 視線の先には大事な仲間の平和な日常が、ゆっくりプレイスでのゆっくりした生活が映し出されている。 皆がゆっくりしあわせそうに微笑んでいる。皆が楽しそうに駆け回っている。 ここは本当に信じられないほどのゆっくりプレイスだ。 「ねえ、ぱちゅりー!まりさ、ぱちゅりーとすっきりしたいよ!」 「むきゅ!?・・・ぱ、ぱちゅりーでいいの?」 「そうだよ!まりさはぱちゅりーがだいすきなんだよ!」 「む、むきゅぅ~・・・ぱ、ぱちゅりーもまりさがだいすきよ!」 「ゆゆっ!とってもうれしいよ!」 ぱちゅりーの返事を聞いたまりさは嬉しさのあまりに飛び跳ね、それからぱちゅりーに優しくちゅっちゅをした。 それに応じるようにお返しのちゅっちゅをするぱちゅりーの頬はほんのりと赤く染まっている。 それから、2匹はゆっくりと頬ずりをし始めた。 「まりしゃ~・・・だいすきよ・・・」 「まりさもだよ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・」 徐々に高まって行く2匹の鼓動と快感。やがてそれが理性で押さえつけられないほどに大きくなった直後、2匹は絶頂に達した。 「「すっきりー!」」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・ぱちゅりー・・・だいじょうぶ?」 「むきゅ・・・だ、だいじょうぶよ・・・」 「むりしないでね!つらいときはいってね!」 「むきゅう・・・あかちゃん、できたかしら?」 「ゆゆっ!きっとできるよ、ゆっくりしたかわいいあかちゃんだよ!」 翌日、目を覚ましたぱちゅりーはお腹の中のむずかゆい感覚に受胎を確信し、微笑みを浮かべた。 大好きなまりさの赤ちゃんを身ごもることが出来てとても嬉しかった。 この地は安全だから、出来れば母体の危険の少ない植物型で産みたかったけれど。 それでも、お腹を痛めてまりさの子どもを産めることがただただ嬉しかった。 「あかちゃん、ゆっくりうまれてね・・・」 「ぱちゅりー!まりさ、おいしいごはんをたくさんもってくるよ!」 「むきゅ~・・・まりさ、ありがと~」 「ゆっくりいってくるね!」 そうしてまりさは餌を集めに出かけていったけれど、ぱちゅりーは巣の中でひとりっきりになることは無い。 あるときは出産経験のある大きなれいむがにんっしん中の振舞い方を教えに来てくれた。 またあるときは集落の子ども達が頑張って集めた美味しそうな虫さん達を集めて持ってきてくれた。 またあるときは赤ちゃん達が「れいみゅたちもおねーしゃんになりゅんだね!」と嬉しそうに様子を見に来てくれた。 毎日毎日、入れ替わり立ち代り、皆がぱちゅりーや赤ちゃんのことを気遣ってくれている。 そうして、仲間たちに支えられながら1週間が過ぎたある日・・・ 「むぎゅ!?う、うばれりゅ・・・!」 「ゆゆっ!ぱちゅりー、あかちゃんがうまれるんだね!」 「いぢゃい・・・いぢゃいいいいいいい!?」 「ぱちゅりー、ゆっくりがんばってね!あかちゃんはまりさがうけとめるよ!」 そう言って見るからに痛そうな表情を浮かべていきむぱちゅりーの前に立ったまりさは、注意深く産道の様子を見守る。 徐々にみち・・・みち・・・と皮を押し広げながら外へと出てくる赤ちゃんの顔が見えて来る。 とてもゆっくりした笑顔の可愛らしい赤ちゃんが、まりさの方を見て微笑みながらも必死に外に出ようと頑張っている。 「ぱちゅりーもあかちゃんもがんばってね!」 「む、むぎゅううううう・・・むぎゅう!!?」 「ゆーーーーーーっ!!」 数分後、1匹目の赤ちゃんが産声をあげ。それから1分間で更に3匹の赤ちゃんがこの世界に生を受けた。 3匹がゆっくりまりさで、最後に生まれた1匹だけがゆっくりぱちゅりー。全員とっても元気なゆっくりした赤ちゃんだ。 良い知らせはそれだけではない。病弱で生きたまま出産できるかどうか危うかったぱちゅりーも無事生きていた。 疲労困憊といった様子でぐったりとしているが、それでも仲間達がお祝いに持って来てくれた初蜜などの甘いもののおかげで元気を取り戻していた。 しばらくは食べやすくて栄養たっぷりの蜂蜜を食べさせてあげればじきに元気になるだろう。 「それじゃあ、あかちゃんたち・・・」 「「「「ゆぅ?」」」」 「ゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくちちちぇいっちぇね!」」」」 まりさと赤ちゃん達が元気良く初めての挨拶を交わすと、巣の外から無数の「ゆっくりしていってね!」が聞こえてきた。 群れの皆が新しい仲間の誕生を祝福していた。そして「さあ、みんなでゆっくりしよう」とお祝いのお歌を歌っていた。 それからも群れはゆっくりし続けた。 赤ちゃん達は友達と一緒に森や草原を駆け回ってゆっくりとは何かを学んでいた。 子ども達は友達と遊びながら、赤ちゃんの世話をしながら、大人の真似をしながら色んな生きるための知恵を身に付けていった。 大人たちは培った技を、知恵を、友情を・・・もてる全てを駆使して自分を、家族を、そして群れの皆をゆっくりさせるために頑張った。 ここでは誰もがゆっくりとした楽しい生活を過ごしている。 この場所以外の世界を知っている長老格の、ここまで流浪してきた世代の唯一の生き残りのれいむは思った。 きっとここがゆっくりにとって最高のゆっくりプレイスに違いない、と。 「まりさ・・・れいむ、いっぱいがんばったよ・・・」 自分の役目を終えたれいむはかつての伴侶だったまりさが一番気に入っていた場所で静かに目を閉じた。 まぶたの裏に映るのは金色の海とでも言うべき美しい髪をなびかせ、つややかな漆黒の帽子を被った在りし日のパートナーの姿。 一足先にこことはまた別のゆっくりプレイスに行ってしまった彼女を想い、静かに呟いた。 「そっちでもいっしょにゆっくりしようね、まりさ」 そう言って閉じられたれいむの瞳が開くことは2度と無かった。 このれいむは本当に最高の幸せものだった。 なぜなら、その幸福が悪意によって与えられたものであるということを知らずに死ねたのだから。 翌朝、群れのゆっくりれいむの一匹が目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。 何故かいつもの巣ではなく、無機質な真っ白い部屋の中にいて、不思議なことに自分の上にも下にも群れの仲間がいる。 しかも、群れの仲間全員がそんな風にして部屋の壁にそってずらりと並んでいる。 この場所が何処なのかは非常に気になるが自分の頭で考えてもどうしようもないだろう。 そう判断したれいむは元気良く「ゆっくりしていってね!」と声を張り上げた。 「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」」 「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇにぇ!」」」」」」」」 「「「「「「「「ゆっくちちてってね!」」」」」」」」 「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」」 「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」」 「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇにぇ!」」」」」」」」 簡素なつくりの真っ白な部屋には群れ中のゆっくりがいた。 そして、れいむの挨拶につられた仲間達の返事がお世辞にも広いとは言いがたい部屋の中に反響する。 その直後、思いっきり飛び跳ねたゆっくり達の「ゆぎゅ!?」と言う悲鳴が聞こえてきた。 「ゆゆっ!みえないかべさんがあるよ!」 「おちびちゃん、ゆっくりおかーさんのところにきてね!」 「ゆえーん、いけにゃいよおおおおお!」 「みえないかべがあるんだねー、わかるよー!」 「みんなあぶないからうごいちゃだめだよ!」 「れいみゅたちはちーたいきゃらだいじゅーびゅ!?ゆぴぃぃぃぃいいい!いちゃいいいいい!?」 「かべさんはからだにあわせたおおきさなのね!とかいはじゃないわ!!」 「どほぢでごんなどごろにいるのおおおおおおおお!?」 「わがらないよー!!」 挨拶の直後までは見知らぬ場所でも、仲間がいれば何とかなるだろうと思っていたゆっくり達は想像だにしなかった事態にようやく恐怖を覚えた。 それも、今まであらゆる苦痛や恐怖と限りなく無縁だったこの群れのゆっくりにとっては恐らく感じたことの無いほどの恐怖。 あるものはそれでも何とかなると信じて群れの実力者の指示に従ってじっとしている。 しかし、気の弱いものやまだ幼いゆっくり達は未知の恐怖に耐え切れず泣き出してしまう。 更に恐怖を誤魔化すために泣き出したゆっくり達に「ないちゃだめっていってるでしょ!」と怒鳴り散らすものもいる。 そうして怒鳴り散らす仲間に怯えて泣いている者たちが更に大きな泣き声を上げ、つられて怒鳴っていたゆっくり達も泣き始める。 「ゆえーん、しぇみゃいよおおお!おきゃーしゃん、だちてー!」 「ゆわああああん、ごわいよおおおお!どほぢでごんなどごろにいるのおおお!?」 「ゆううう!うるさいよ!ゆっくりだまってね!」 「ゆうぅえ・・・っ!きょわいよおおおお!おねーしゃんがきょわいいいいい!!」 「ゆぎゅう!でいぶをおごらないでええええええ!?」 「ゆ、ゆぎいいいいいい!どほぢでぢおずがにでぎないのおおおおお!?」 そんな仲間を尻目に思いのほかゆっくりしているものもいれば、なんとか壁を壊そうとしているものもいる。 「ゆぅ~・・・でられないんじゃしかたないね!ゆっくりしようね!」 「「れいみゅゆっくちちゅるよ!」」 「まりしゃもゆっくちちゅるよ!」 「ゆっ・・・!ゆんっ!ゆりゃ!!」 「ゆゆっ!ありすもゆっくりしようね!」 「なにいってるの!?こんなとかいはじゃないばしょでゆっくりできないわ!」 「ゆ、ゆぅ・・・おねーしゃんもゆっくちちようよおおおお!」 「ゆっくりしてるばあいじゃないのよ!ゆっくりりかいしてね!」 「ゆぅ・・・ゆえーん・・・ゆっくちちたいよおおお!!」 恐怖が怒りを呼び、怒りが恐怖を増幅させてやがて恐怖に侵食される。 焦りが冷静さを奪い、ゆっくりを奪い、ゆっくりできない事がやがて怒りや恐怖へと姿を変える。 そうして徐々に、しかし確実にその部屋の中からゆっくりが奪われていく。 リーダー達が何とか事態を収めようとしてもパニックに陥った集団は簡単には止められない。 彼女達が何かを言おうとするたびに何処からか飛んで来る罵声にその言葉がかき消され、無力なリーダー達の姿が群れの恐怖を増幅させる。 「どほぢでみんないうごどをぎいでぐれないのおおおお!?」 「ゆえーん、おきゃーしゃんとしゅりしゅりちちゃいよー!!」 「わがらないよーーー!!?」 「ごんなのどがいはぢゃないわ!!?」 「でいぶぜまいのいやだよおおおおおお!!」 「まりぢゃのぼうじがへぢゃげでるんだぜええええ!!」 「ゆえーーーん、いぢゃいよおおおお!!」 「「「「「「「「「これぢゃゆっぐぢでぎないよ!!」」」」」」」」」 気がつけばリーダー達も泣いていた。ただただ無力感を噛み締めながら泣きじゃくっていた。 しばらく泣き続けていると、お腹が空いてきたのか徐々に泣き声が小さくなり、やがて泣き疲れて眠るものまで出てきた。 そんな時、部屋の壁と同様に真っ白な扉が開き、そこから一人の人間が姿を現す。 白い手袋を付けて黒いスーツを身に纏った上品そうな中年男はあくまで無表情だったが目は信じられないほどに鋭く、攻撃的で獰猛。 その目を見た瞬間、リーダー格のゆっくり達は彼が自分たちを閉じ込めたのだと確信した。 「ゆゆっ!おじさんがまりさたちをとじこめたんだね!」 「いなかものとはゆっくりできないわ!ゆっくりだしなさいよ!」 「むきゅ~・・・ぱちゅりーたちなにもわるいことしてないわ!」 「ゆっくりここからだしてね!」 「れいむたちにひどいことしないでね!」 その言葉につられて他のゆっくり達も騒ぎ出す。 しかし、男性は彼女らの言葉など全く意にも介さず、そよ風か何かのように聞き流し、部屋の外から大きな箱を運び込んでいた。 馬鹿でかい台車に乗ったその箱は底面が3m×5mの大きさで、側面が1mほどの高さを持っている。 箱というよりも小部屋に近いそれの天井部分だけは板が設置されておらず、そこから部屋にいる全員が中の様子をうかがうことが出来る。 男はその箱を床に置くと、とんでもないことを言い放った。 「お前たちにはここで殺し合いをしてもらう」 あまりにも馬鹿げた発言にしばしゆっくり達は呆然となり、沈黙するが、男は彼女達にかまわず手近な透明な小部屋の蓋を開ける。 そこから2匹の赤ちゃんをして、先ほど設置した箱の中に彼女らを放り込んだ。 当然、赤ちゃんたちは「れいみゅ、しょんにゃこちょちないよ!」「まりちゃもだよ!」と言って抗議するが、男性は平然としている。 そして、僅かに無表情な彼の口元が歪み、2匹の赤ちゃんに恐ろしい言葉を放った。 「戦わないならどっちも殺す。勝ったほうには餌をやろう」 傍目にはただのルール説明のようにも見える言葉。 しかし、そのルールを課せられるものにはこの世で最もおぞましい二択を迫る言葉。 その信じがたい残忍さに部屋にいる全てのゆっくりが押し黙ってしまう。 そして、恐怖心に負けた2匹の赤ちゃんだけがその場で火のついたように泣き出してしまった。 「ゆえーん、れいみゅ、しょんなのいやだよおおおおお!!」 「ゆえええええん、おうぢにかえりちゃいよおおおお!?」 「そうか」 2匹の言葉を聞き終えた男は台車においていた槍を掴むと容赦なく矛先を2匹に突き立てた。 あまりにも淡々と、あまりにも悠然と。2匹の赤ちゃんは悲鳴を上げる暇すら与えらずに絶命した。 そして、他のゆっくり達も男の所作のあまりのさり気なさに彼女らに何か言葉をかけてやることもできなかった。 「さあ、次だ」 静かに、しかし力強く呟いた男はいつの間にか近くの箱から成体のれいむと子どものれいむを取り出していた。 男は2匹を乱暴に箱の中に放り込むと、まだ赤ちゃんの死体が刺さったままの槍を掴み、「どうする?」とだけ囁く。 2匹が、箱の中にいる2匹が、殺し合えと命じられた2匹が母子だと知る群れの仲間達は絶句し、箱の中の2匹の決断を見守っていた。 中には男性に罵詈雑言を浴びせるものや「そんなことしちゃゆっくりできないよ!」と母子に向かって叫ぶものもいたが何の意味も無い。 母れいむはただ絶望することしか出来なかった。 何故、よりにもよって自分と自分の子どもなのか? もちろん、ほかの子どもでも殺したくはないし、他の親子が殺しあうのだって決して見たくない。 けれど、何故・・・どうしていきなり自分たちが殺し合いの1番手を務めなければならないのか? 拒めばどっちも殺される、受け入れてもどちらかが死ぬ・・・どちらが? そんなもの決まっている。 自分だ。可愛い子どもを殺してまで、どうして生き延びる必要があるのか? 意を決した母れいむは泣き笑いの表情で、叫んだ。 「があいいでいぶのおぢびぢゃん!でいぶのぶんまでゆっぐぢぢでね!!」 その言葉の直後、母れいむは壁に向かって激突し始めた。 何度も何度も、壁にぶつかっては弾き飛ばされ、起き上がってはまた壁にぶつかっていった。 その姿を見た赤ちゃんれいむは怯えていたが、可愛い赤ちゃんを守るためだから仕方ない。 何度も何度も何度も何度も壁にぶつかり続けているとやがて餡子が漏れ始める。 歯が折れ、舌に刺さる。痛い、もうやだ、おうちに帰りたい。でも、赤ちゃんを守らなくちゃ。 そんな思いに突き動かされて母れいむは何度も何度も立ち上がる。 「おきゃああああしゃああああん!やめちぇええええええええええええええ!!」 「ゆっぐり、がんばるよ・・・あがぢゃんのためだもん!」 泣き叫ぶ我が子を慰めてやりたい、出来れば隣に行って頬ずりをしてあげたい。 そんな衝動を必死に堪えながら母れいむは更に自傷行為を繰り返す。 ゆっくりにとって命も同然の餡子をぼたぼたと零しながら母れいむは何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も壁に体当たりを仕掛ける。 もうそろそろ限界だ、そう感じた母れいむはいまだに泣き続けている我がこの方に振り返ると微笑み、母として最後の言葉を送る。 「かあひいおひびひゃん・・・うっふひひへひっへへ!」 「おきゃああちゃあああああああん!!?いっちょにゆっくちちよーよおおおおおお!!」 可愛いおちびちゃん、ゆっくりしていってね! 歯も舌も使い物にならなくなってしあった口ではその言葉をちゃんとつむぎ出せない。 それでも賢いおちびちゃんならきっとお母さんの気持ちを理解してくれるはず。 壁にぶつかり続けた結果、ひしゃげて使い物にならなくなった双眸が赤ちゃんの姿を映し出すことは無い。 それでも脳裏には可愛い我が子の姿が浮かぶ。 泣き叫ぶ赤ちゃんれいむにに背を向けると、母れいむは残された力の全てを振り絞って壁に渾身の体当たりを仕掛けた。 「おきゃああちゃああああああああああああああああああああああん!!?」 狭い部屋に赤ちゃんれいむの絶叫がこだまする。 そして、それにつられるようにして恐怖と困惑で言葉を失っていた他のゆっくり達も騒ぎ始めた。 「どほぢでごんなごどずるのおおおおおおおお!?」 「もうやだ!おうぢがえる!」 「まりぢゃゆっぐぢじだいいいいいいいい!!」 「ゆっくりだぢでね!ごごがらゆっぐぢだぢでね!?」 部屋の中にいるゆっくり達が口々に騒ぎ立てる。 あるものはゆっくりしたいと、あるものはゆっくりできないと、あるものは男性が許せないと。 しかし、男が何の意味もなさないノイズに耳を貸すようなお人好しでないことは火を見るより明らか。 もはや身動き一つ取れないれいむが撒き散らした餡子を拾い集めると泣き喚く赤ちゃんの口に乱暴にねじ込んだ。 赤れいむは「ゆびっ!?」と短い悲鳴を上げ、それを吐き出そうとするが男の手がそれを許さない。 何も見えないなりにも音で赤ちゃんの危機を察知した瀕死の母れいむは「や、めてね・・・おちびちゃ、をいぢめないで・・・」と呻くが男の耳には届かない。 そうして、無理やり母親の餡子を食べさせられた赤ちゃんはぽろぽろと涙を零しながら「ちあわちぇ~♪」という言葉を口にした。 言うまでもないだろうが決してうれし泣きなどではないし、「しあわせ~」もただ本能に従って口にしているだけ。 それを見届けた男は母れいむを箱の外に放り投げると、手近な小部屋のふたを開け、赤ちゃんまりさを取り出す。 そして、再び囁いた・・・「さあ、殺し合え」 と。 「いやあああああ!まりぢゃおねーしゃんとゆっくちちちゃいいいいいい!?」 「どほちてぞしょんなこちょいうにょおおおおおおお!?」 もうやだ!大事な家族にそんな酷いことできない、と泣き喚く赤ちゃん達。 しかし、その言葉や表情が男の良心の呵責など呼び起こすはずもなく、彼は何も言わずに足元に置いた槍を手に取った。 周りでは相変わらず他のゆっくり達が「やめてね!」とか「あかちゃんにひどいことしないでね!」と喚いている。 その中心にいる赤ちゃん達も掲げられた槍の鋭利な先端を見て、戦わなければどうなるかを思い出し、一層激しく泣きじゃくる。 だが、男にとって大事なのゆっくり達が“戦うか戦わないか”ということだけ。 相変わらず戦意を見せない箱の中の2匹には男にとってはもはや何の価値もない。 ゆえに、速やかに処理を済ませた。 「ゆびぃ!?」 「ゆばっ!?」 「「「「「「「・・・・・・ゅっ!?」」」」」」」 その瞬間、部屋中のゆっくりが水を打ったように静まりかえる。 その沈黙は何も見えず、喧騒のせいで何も聞こえないまま静かに朽ちていた、不運にもまだ生きていた母れいむに我が子の死を伝えた。 母れいむは自分の無力を悔やみ、我が子の死に悲しみながら・・・物言わぬただの饅頭になった。 しかし、男はそんなことは知らない。いや、知ったことじゃない。 「もう一度言う。殺し合え、それが嫌ならどっちも殺す」 やはり静かに、しかし有無を言わさぬ力強さをも併せ持つその言葉はゆっくり達に何をしても無駄だと理解させるには十分だった。 勿論、それでも文句を言い続けるものは沢山いた。しかし、その誰もが内心はきっと無駄だろうと諦めている。 そして、大方の予想通りゆっくり達の言葉は男の心に響くことはなかった。 「次は、お前達だ」 男は手近な箱から成体のゆっくりありすと同じく成体のゆっくりまりさを取り出して、例の箱の中に放り込んだ。 続く byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける
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『ゆっくりしてゆっくりしてゆっくりしていってね!!!』 「ゆ!ここをまりさたちのあたらしいゆっくりプレイスにするよ!」 もはやありがちなこの光景しかし… 「ゆっ!じゃまなれいむがいるんだぜ!いたいめにあいたくなかったら、さっさとでていってね!」 「とかいはじゃないれいむはさっさとでていってね!」 れいむは何も答えない 「ゆっ!ばかにしているね!まりさはこうみえてもやまでいちばんのちからもちなんだぜ! さっさとにげだしたほうがみのためなんだぜ!」 「…」 「ゆっがぁぁぁ!!!もうおこったよ!あとでごめんなさいしてもしらないからね!」 「まりさがんばってね!」 まりさはものすごい(ゆっくり的に)スピードで体当たりをした…はずだった 「ゆっぎゃぁぁぁ!!!いたいぃぃぃぃ!!!」 まりさはおもいっきり柱の角に顔面を打ち付けました れいむはまりさが突進してきた場所から少しずれた場所でまりさの方を見ていました 「も゛う゛ゆ゛る゛ざな゛い゛ん゛だぜえ゛!」 まりさは空高く(しつこいようだがゆっくり的に)舞い上がり 「づぶじでやるんだぜぇぇぇぇ!!!」と押し潰そうとしましたが 「ゆぶぇ!」例によってまりさは顔面から床に叩きつけられました 「なんでなんだぜぇ!!」まりさは起き上がるとれいむの方を見ました れいむはまたまりさが押しつぶしを当てようとしたところより少しずれてまりさの方を見ていました 「こんどこそゆるさないんだぜぇ!」とまりさが言いかけた瞬間 『ゆっくりしていってね!!!』とれいむから声がしました 思わず「「ゆっくりしていってね!!!」と返事を返してしまいました これにはまりさはニヤリとせざるを得ませんでした 「ゆっ!まりささまのちからをみておじけづいたんだぜ! このれいむはこしぬけなんだぜ!」 「さすがまりさね、あとでとかいはのあいでつつみこんであげるわぁ」 「ゆぅ~んてれるんだ『ゆっくりしていってね!!!』 「ゆっ!まりさはいまありすとあいのかたらいちゅうなんだぜ! ぶすいなまねをしないでほし『ゆっくりしていってね!!!』 「ゆがぁ!しつこいんだぜ!もうおまえのいばしょはここじゃないんだぜ! さっさとでていくんだぜ!」 『ゆっくりしていってね!!!』 「しつこいんだぜぇ!ゆっくりできないんだぜ!」 『ゆっくりしていってね!!!』 「ゆげぇ!こいつきもちわるいんだぜえ!」 「ぜんぜんゆっくりできないわ!こんなのとかいはじゃないわぁ!」 「もうこんなところでていってやるんだぜぇ!ゆ? なんででぐちがなくなってるのぉ!?」 まりさ達は確かに玄関の隙間から入ってきたはずでした しかし今は玄関はぴったりと閉じられ蟻の子一匹入るスペースすらありません 『ゆっくりしていってね!!!』 「もうこっちにくるなだぜぇ!」 「とかいはぁぁぁ!!」 まりさとありすは恐慌状態になって逃げ回りますが、どこへ逃げても 『ゆっくりしていってね!!!』としかしゃべらないれいむに追い詰められます 「もうごないでぇぇぇ!!」 「まりさ達が悪かったよ『ゆっくりしていってね!!!』 「ゆぎゃぁぁぁ!!!」 しばらくして家の主が帰宅しました 『ゆっくりしていってね!!!』「ゆぎゃぁ!!!」 家の主が様子を見に行くと、部屋の陰でがたがたと震えながら変な液体をばら撒いている まりさとありすの姿がありました 家の主は2匹をつかむと外へ放り投げました その時に 『ゆっくりしていってね!!!!』と大声で叫んであげました あのまりさとありすはもう二度とゆっくりしようとは思わないでしょう 「どうでしょうか?今回の企画は!?」 「ボツ」 「え!?」 『ゆっくりしていってね!!!』 「だって追い出すよりそのれいむ使って潰したほうが早いでしょ」 「床餡子で汚れないですよ!?」 「そのかわり、あなたの家の家具がめちゃくちゃだけどね」 『ゆっくりしていってね!!!』 「…それになんか、むかつくから」 終われ このSSに感想をつける
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「ゆっくりしていってね!」 「…………あー」 家に帰ったらゆっくりがいた。 胡椒切らして往復5分だからと鍵かけて行かなかったのが悪かったのか。 家を空けていた時間が短かったせいか、幸い家は荒らされていないようだ。 「おにいさん、ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!はやく「はいはいゆっくりゆっくり」ゆっなにするの!ゆっくりはなしてね!」 生憎透明な箱なんてもんはないので畳んでいなかった段ボール箱に放り込む。 すぐに潰そうかとも思ったが今はまず飯を作る方が先だ。 段ボールの中でゆっくりが騒いでいるが無視だ無視。 もやしを洗ってハムとキャベツと人参を適当な大きさに切ってフライパンに油をひく。 後はフライパンが十分に温まったら硬い物から入れて炒めるだけだ。 ふとゆっくりを見るとこちらを見て涎を垂らしていた……それを見てむくむくと悪戯心が沸く。 「おいゆっくり、これ食べたいか?」 「ゆゆっ、ゆっくりたべさせてね!」 ゆっくりの前に切ったハムを一枚ぷらぷらと摘まんで差し出す。 左右に動かすとゆっくりが動いてそれを必死に食べようとする。 ねこじゃらしを目の前に出された猫みたいで面白い……やっべ、テンション上がってきた! 「それそれそれ!」 「ゆっゆっゆっ!」 「そーらっ!」 「ゆーっ!!」 散々じらした末に、思わずハムを摘まんでいた手を思いっきり上に上げる。 それに応じて何とゆっくりも段ボール箱から飛び跳ねて大きく跳躍し……ってあれ? 「ゆがぁぁぁぁぁぁっ!?」 「うぉぉぉぉぉぉぉっ!? 水っ!水っ!!」 限界を超えたゆっくりは俺の腕を越えてその後ろに位置していたフライパンの上に着地。 既に煙が出る程に熱されていたフライパンはいともあっさりとゆっくりの底を焼き、髪と帽子にまで引火した。 その惨状に慌てて水を汲んでゆっくりに目掛けてぶっかける……って、あ。 「ゆごごぉぉぉぉぉっぉぉっぉっぉっ!?」 「あづぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?」 そりゃ十分に熱した油に水ぶっかければ跳ねまくるよなぁ、とパニックになった自分を何処か冷静に見ている俺がいる。 そして耐え切れなくなったゆっくりは最後の力を使ってフライパンの上から跳躍し……まとめて置いてあった調味料に激突した。 胡椒、七味、塩……様々な瓶が宙を舞い、そしてゆっくりに向かってその中身をぶちまけ、火傷した饅頭肌に致命傷を与える! 「ゆ゛っ゛がらっいだいぃぃっ゛!?」 「だ、大丈夫か!?」 「ゆ゛っ゛おに゛いざんだずげでね゛ゆっぐりでぎな゛……ゆ゛っ!?」 「お、おいどうした!?」 「ゆ゛っ゛、ゆ゛っ゛、ゆ゛っ゛っ゛ぐしょぉぉぉぉぉぉん!」 「うぉぉぉぉぉぉっ!?」 クシャミだ。ゆっくりに降りかかった胡椒がクシャミを誘発し、そのクシャミと共に多量の餡子が吐き出されてくる。 手で口を抑えずにクシャミをすると鼻水や唾が飛ぶのと同じ要領で、ゆっくりの口から餡子が吐き出されたのだ! 「もっ゛どゆ゛っ゛ぐり……じだがっだよぉ゛……」 それが致命量の餡子を吐き出したゆっくりの、最後の言葉となった。 「………………」 俺はゆっくりが息絶えた後も呆然としていた。 ぶちまけられた調味料、餡子まみれの野菜とハム、いまだバチバチいってるフライパン、そして息絶えたゆっくりの死骸。 「……クシャミで死ぬって、ゆっくりはホント難儀な生き物なんだなぁ」 混乱した思考の中で俺は、そんな言葉をゆっくりと吐き出したのだった。 ================== なんかゆっくりが勢い良くくしゃみしたら餡子吐き出しそうだなぁ、と思ったのでついかっとなって書いた。 このSSに感想を付ける
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うどんげファーストミッションPart2 「ふぅ・・・」 結局鈴仙も行き詰まっていた。しかし、師匠から引き受けた以上、早々に諦める訳にはいかない。 それがますます鈴仙を悩ますことになった。 「精神に影響を与える、か・・・」 戸の開く音がする。永琳が様子を見に来たようだ。 「どう?何とかなりそう?」 無言を答えにする。 「難航してるようね・・・ゆっくりは人間に割と近いと思うわ。 人語を話すから考えてることもわかりやすいし。最も知能は犬以下だけど。 人間と同じように考えてみたらどうかしら?」 鈴仙の頭にある考えが浮かんだ。 「ゆっくりは餡子が脳の働きをしているんですよね!?」 「ええ、そうよ。餡子の移植実験なんてのもやってみたわよね」 突然勢いづいた鈴仙に若干気圧されたような永琳。 「良いアイデアが浮かびました!師匠!ありがとうございました!!」 そのまま鈴仙はゆっくりを捕まえに外に駆け出して行った。 「がんばってねー!」(適当なこと言って諦めさせようと思ったのに・・・まあいっか) そんなこととはつゆ知らず鈴仙はきっと師匠は答えがわかっていて自分を誘導してくれたのだと信じていた。 「おらっしゃあゆっくりゲッチュウ!!」「ゆうううう!?」 妙に張り切っているうどんげは早速ゆっくりれいむの成体を一匹捕獲してきた。 実験にはれいむを使うことに決めた。れいむが一番扱いやすく単純だからと言うのが一番の理由だ。 「さあこの中でせいぜいゆっくりしてね!!」「ぐぎゅっ!!」 透明な箱のなかにれいむを押し込む。おなじみの箱かと思いきや、その箱は上の部分に蓋が付いていなかった。 「実験開始よ!!」(ドォォォォン!!)「な"に"ずる"の"お"お"お"!?」 れいむの悲鳴をBGMに妙なポーズを決めるうどんげ。その手には数本の針が握られていた。 針と言っても霊夢(否ゆっくり)が武器とするような物騒な物ではなく、針治療に使うような物である。 「さて問題です」「ゆ!?」「私はこの針で今から何をするでしょう!?」「ゆゆ!?いたいのはいやだよ!!ゆっくりやめておうちにかえしてね!!」 「甘ったれるなこのど腐れ饅頭がァーーーーーッ!!」「ゆ”っ!?」 れいむの頭、と言っても全部頭だが、に針が突き刺さる。 しかし語勢の割りには一気に下まで貫き通すというような刺し方ではなく、頭の上の方を浅めに刺していた。 一旦は死を覚悟したれいむの方にも意外だったようで、一瞬どことなく拍子抜けしたような顔をした。 「ゆ”っぐうっ!!」しかし針が皮を貫く痛みは決して小さくはない。 「いだい"よ!はや"ぐやめでね!!」涙目で訴えるゆっくり。 「やめないわよ」と鈴仙は無情に返し、針で中身をかき回し始めた。 クチュクチュ 「ゆ”ぅっ!?ゆ”っ!ゆっ!」れいむは体を痙攣させ始めた。 「ゆっ!ゆ”えっ!?」目が左右逆に動き出す。これは明らかに痛みから来る反応では無い。 「思った通りだわ・・・!」 脳を外部から刺激する。師匠のマッドな動物実験につきあった事から発想を得た。 単純なゆっくりならこちらの意のままに操ることすら可能かもしれない。 「お脳のあたり痛くないですかぁ~?」 ますます調子にのったうどんげがれいむの中をかき回す。 「いっ!いだいよっ!やっや”やめっででねね”!!」 痙攣しつつも反応する。 「脳に痛覚なんて無いわよ。あんたには脳もないけどね」 サディスティックな笑みを浮かべながられいむの餡子をやさしくいじくる。 「ゆぅっ!?なんだかすごくおなかがすいてきたよ!?」 どうやらツボを見つけたらしい。何度かそのあたりをつつく。 「おっ!お”な”がずい”だっ!おねえざんっ!なにかたべないとしんじゃうよっ!」 死ぬはずがない。とりあえずこの位置を記録しよう。 鈴仙は自らの本来の能力を使い、光の波長を狂わせた。一部の光をX線に変え、れいむを通り抜けたところで再び可視光に戻す。 このような手段を使って鈴仙は物の内部を見ることも出来るのだ。すごいぞうどんげアイ!! ちなみにこの能力はうまく使えば一部の物だけを透けさせることもできる。師匠の服を透かして全裸をいやなんでもないよよい子のみんなは真似しちゃ駄目だよできないけど。 記録を終えた鈴仙。 「ここは空腹感、と」 次に鈴仙は針になにやら導線のような物をつなぎ始めた。 「ね”え”!はや”くたべも”のちょうだい”!!」 餓死直前のような悲壮な顔をしている。丸々艶々しているので説得力なんて無いのだが。 「はーいいくわよー」 そう言って鈴仙はなにやら導線のつながった先の機械のような物をいじる。 「ゆゆっ!」針に電流が流れ、「ツボ」を刺激する。 「ゆー!おなかいっぱいになったよ!!」うってかわって明るい顔になるゆっくり。 「あー満腹にもできるのね。じゃあこれは?」電圧を変える。 「ゆゆー!!もうたべられないよー!!」電圧を変える。 「ゆっ?またおなかが減ってきたよ!?」電圧を変える。 「ゆ”ぅぅぅっ!!お”な”がへっだよ”!!!」電圧を変える。 「ゆ”ががっ!じん”じゃうっ!!だずげでぇえええ!!」電圧を変える 「ゆ”あ”あ”あ”あ”あ”があ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」 普通に生きていたのでは決して味わうことの出来ないほどの空腹感に襲われるれいむ。 一方鈴仙は記録をとるだけである。どうせまた腹一杯だと思わせることが出来る。それどころか満腹なまま餓死するゆっくりさえ作れるのだ。 相も変わらず空腹に絶叫するれいむ。 「うっうー♪」 そこにどこからかゆっくりれみりゃが現れた。しかも体付きだ。れいむの大声に反応してやってきたらしい。 邪魔だから潰しに行こうと鈴仙が立ち上がった途端、 「う”がっ!?にぐまんんっ!!?」 凄まじい勢いで導線を外しつつ箱から飛び出したれいむ。 「がおー♪だべちゃぶぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」 れいむに食いつかれ、れみりゃはお決まりの台詞も言えない。 「ぶあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!ざぐやどごお”お”お”おおお!?」 たった一匹のれいむに全身を食いちぎられ、れみりゃは泣きながら転がり回っていた。 鈴仙は面白いからとりあえず観察することにした。 「にぐまんっ!うめ”え”っ!!でもたりないい!!」 れいむはれみりゃをどんどん体内に納めてゆく。一方のれみりゃはまさかれいむに喰い殺されようとしているなど信じられないようだった。 「ざぐやあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”だじゅげでえ”え”え”え”え”え”え”!!」 最後に残った頭部はその絶叫を最後にれいむに丸飲みにされた。 「うめえ!うめえ!」 グロテスクに巨大化したれいむ。まさか体付きのれみりゃを再生する間も与えず食い尽くすとは思えなかったし、第一ゆっくりがそれだけ物を食べられるとも思えなかった。 「ゆ”っ!?」れいむの顔が苦痛に歪む。やっぱり吐くのか?と鈴仙が身構えた瞬間 パァン!! 破裂した。あたりにゆっくりの皮と餡子とれみりゃの体の破片が飛び散った。 「い・・・一体何が起こったの!?」 再び様子を見に来た永琳は絶句した。 餡子まみれの部屋には肉まんの香りが漂い、れみりゃの生首が餡子に包まれて転がっている。 部屋の中央では弟子が顔にゆっくりれいむの皮を張り付け、肉片の混じった餡子と肉汁にまみれて固まっている。 飛んできた針が刺さらなかっただけマシだった、と鈴仙は思った。 一方れいむに刺さっていた針は窓から飛び出していった。 「むきゅー♪」 様々な偶然が奇跡的に重なった結果、その針は竹藪で他のゆっくりとともに遊んでいたゆっくりパチュリーに突き刺さった。 「ゆ”っ」 「どうしたのぱちゅりー?」「ゆっくりできる!?」 「お”な”がずい”だよ”お”お”お”お”お”お”お”!!!」 翌日竹藪の一角のゆっくりがすべて消え、その代わりに大量の餡子と皮がまき散らされているのを発見した。 変質者(妖怪?)が出没したのではないかと永遠亭はその噂に持ちきりになり、原因を作った鈴仙もそう思って怖がっていた。 続く このSSに感想を付ける